ストレスと過労

ストレスとは、ストレッサーによって引きおこされる生体内(心理的変化も含む) の変化です。それはプロセスであって、一瞬の変化(「ケガをした」ような) ものではありません。

人間の場合は逃避したり、逆に目的意識的にたたかったりして、その生体内のプロセスは複雑です。たとえば、ストレスに疲れたと自覚した人が、1日休んでハイキングに出かけました。
その結果、「ストレス解消」し、翌日はまたストレスに立ち向かうことができるというような場合、健康です。

ところが、「ストレス解消」をする時間もとれない、休めないような過剰なノルマがある、それで、イライラしている。イライラして酒もよくのむ、そのために、血圧があがるし、体重も増え、食事制限するように医師に言われたとします。
この人の高血圧、肥満はストレス性疾患である。ゆっくりと休養をとらせることで、血圧は正常値にもどります。

また、やはり休めない、責任もある、いろいろ先のことを考えたり、仕事の段どりを思ったりして夜眠れない。朝、ムカムカして食欲がない、たまに休みをとっても、ぐったりしているだけで遊びにいく気力もわかない。
こんな場合は、過労(神経疲労の持続)です。
こういう場合は、ダラダラと休んでいてもだめであってよく眠れるようにすること、ハイキングなど、身体を動かすなどの対策が必要です。

この過労状態が放置されて長びくと、病的な状態(自律神経失調症など) に進行してしまいます。ストレスと過労の関係は複雑ですが、ストレスはストレッサーによる生体反応の過程であり、過労というのは、その過程の結果として引きおこされる自律神経系を中心とする神経機能の変化(とくに機能の低下)です。

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