セロトニンを増やすための食事を意識する

体内では作ることの出来ないセロトニンのもとを食事でしっかり摂る 日々の食事をしっかり見直す

快適な生活のためにも普段の食事を見直すことが大切です。
私たちが毎日、欠かさずに行うことのひとつに食事があります。食生活が乱れると、イライラしたり体調を崩したりすることがありますが、そんなことにもセロトニンが深く関わっています。

最近不調気味だという人は必ず、これからセロトニン神経を鍛えたいという人も、ぜひ、日々の食生活を見直してみましょう。

セロトニンを増やす食事はすぐに始められる

セロトニンの原料は、体内で合成することがきないので。食べものから摂取するしかありません。このため、食事が足りなかったり、栄養素が偏ると、途端に不足して、不調の原因になります。
とはいえ、セロトニン自体が食べものに含まれているのではありません。まずセロトニンの原料となる栄養素をとり、脳に送ります。それをもとに体内でセロトニンを合成し、セロトニン神経を通じて体と心をハッピーにす満という手順です。

なんだか難しそうですが、実は意外と簡単。今日からでも始めることができます。食材も、どこででも安く手に入るものばかりで、特別なことは必要ないので、安心です。

セロトニンの原料・必須アミノ酸
「トリプトファン」を含む食材を選ぶ

セロトニンの原料となる栄養素は、必須アミノ酸のトリプトファン。必須アミノ酸とは、体内でつくることができず、食べものを通してとらなければいけない栄養素です。
トリプトファンは、さまざまな食材のたんばく質に含まれています。このトリプトファンがセロトニンのもっとも重要な原料で、専門的には「前駆物質」と呼ばれるものです。

ところが、トリプトファンだけでセロトニンをつくることが.できません。トリプトファンにビタミンB6を加えることで、脳のなかでセロトニンができ上がります。ビタミンB6はおもに魚類、牛レバーなどに含まれています。

そして、トリプトファンを脳内に運んで吸収しやすくし、セロトニン神経を活発に動かす働きをするのが、炭水化物。ごはん、パン、麺類など、いわゆる主食にあたるものです。トリプトファン、ビタミンB6 、炭水化物。この3つがセロトニンを増やす材料になります。普通にバランスのよい食事をしていれば、無理なくとれる栄養素です。

トリプトファンはこの食品から、なじみのある食材ばかり

とはいえ、最近は忙しさのあまりつい、食事をお菓子やジャンクフードで済ませる人や、ダイエットのためにこれらの栄養まで減らしてしまう人もいます。

また、具体的に何を食べればいいのかわからないという人もいるでしょう。ここでは、効率的にセロトニンを増やすことができる具体的な食材を紹介します。

セロトニンを増やす食材
バナナ「セロトニンの材料が全部含まれる完全食」
バナナには多くのトリプトファンが含まれています。さらに、ビタミンB6 、炭水化物も含み、セロトニンをつくる材料がすべて入っている「セロトニン完全食」です。
寝坊してしまい、朝食を食べる時間がないとき、バナナを食べるだけでも、体内のセロトニンを増やす助けになります。おやつのお菓子やスナックの代わりにもぴったり。常備しておきたいフルーツです。
大豆製品「さまざまな栄養素が入って、若返りにも効果絶大」
大豆は良質の植物性たんばく質とトリプトファンを含みます。また、ボケ防止に役立つレシチン、悪玉コレステロールを除去するサポニンやビタミンB1、更年期障害に効果があるイソフラボンを含み、若返りを助ける食材でもあります。大豆を原料にしているものなら、納豆、豆腐、豆乳などどれでもいいでしょう。積極的に摂りたい食材ナンバー椀です。

笑いにはセロトニンを増やす効果抜群

落ち込んだときやうつっぽい気分を吹き飛ばす笑い声は心身共に元気にしてくれる

笑う門には福来たる」ということわざがあります。つらいことがあっても、貧乏でも、笑っていればいいことがある、という一種の戒めですが、このことわざは事実であることが、いよいよ科学的に検証されました。

1964年、アメリカで雑誌編集長をしていたノマン・カズンズさんが、持病でこある膠原病を、喜劇やコメディ映画を見て笑うことで治してしまったのです。
膠原病は自己免疫異常による難病です。カズンズさんがそれを発表したことがきっかけで、笑いが免疫機能に与える効果についての研究が始まりました。

現在では、笑うことで自律神経に変化が起こり、脳への刺激によってがん細胞やウィルスをやっつけるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化するというデータが出ています。

セロトニン活性化の面から見ても、笑うことは非常に有効。おかしいことがあって爆笑しながら「おなかが痛い」と言ったことは、ほとんどの人があるはずです。これは、腹筋が激しく収縮している証拠です。「アハハ、ゲラゲラ、ハアハア」と息をするのも、笑い声とともに息をはき出し、笑いが止まらずに息をすべてはききるために起こること。笑うことで、無意識に深い腹筋呼吸をしているということになるのです。

セロトニンを増やすための笑いかたにはコツがある

「口を大きく開けて声を出して笑うこと」がセロトニンを増やします。
笑い方にはそれぞれありますが、セロトニンを増やすためには、大きな口を開け、声をあげて笑うことが重要なポイントです。
声を出して笑うことで息をはき、腹筋呼吸になります。また、大きな口を開けることで顔の筋肉を動かし、ガムをかむことと同じようなリズム運動もできます。
クスクスという含み笑いや、二ヤリとする笑み、微笑み程度では意味がありません。「腹を抱えて笑う」「腹の皮がよじれるほど笑う」という言葉があるように、昔から腹筋と笑いは密接な関係にありました。セロトニンを増やすためにも、おかしいことがあったら、恥ずかしがらずに爆笑しましょう。

お笑いを見て爆笑してセロトニンと免疫力を同時にアップ

そうはいっても、毎日おもしろいことがあるわけではありません。それなら、喜劇やコメディ映画で病気を治したカズンズさんのように、お笑い番組やDVDをできるだけ観るようにしてください。ギャグマンガでもかまいません。自宅で観るのですから、おなかをよじったり、脚をばたつかせたりしながら、大いに笑ってください。セロトニンの量と、免疫機能が同時にアップするダブル効果になります。

セロトニンを増やすだけだったらつくり笑いでも効果あり!

何をしても、何を見てもおもしろくないというときは、誰にでもあるでしょう。また、どうしても思いきり笑うことができないという人もいるかもしれません。
でも、笑いでセロトニンを増やすためには、何も心の底から笑わなくてもいいのです! つくり笑いだってかまいません。鏡に向かって大きく口を開け、とびっきりの笑顔をつくってみてください。
笑顔ができたら、声を出してみます。最初は、棒読みのような「ハハハ」でもOKです。これだけでもセロトニン強化に必要なリズム運動になりますから、毎日、くり返していると、気分も晴れ、いつの間にか本当に笑えるようになってきます。

太陽光でセロトニンスイッチをONする

光を見ることでセロトニン神経が動き出す!爽快な気分で1日をスタートさせる

セロトニン神経は、就寝中は一緒に休んでいます。そして、起床と同時に動き出し、セロトニンの分泌を開始します。
このとき、セロトニン神経を起こす働きをするのが太陽光です。目にある網膜から入った光信号がセロトニン神経を覚醒させる目覚ましになるのです。

光なら電灯でもいいのではと思いますが、セロトニン神経を覚醒させるのに必要な明るさは2500ルクス。-般的な電灯は100~250 ルクスですから、役に立ちません。

太陽にはその10~100倍の明るさがあります。2500ルクスというと、だいたい晴れた日の朝からお昼にかけての明るさです。
起床したら、カーテンを開けて太陽の光をたっぷりと部屋に入れましょう。「気持ちいいな」と感じたら、セロトニン神経が元気よく活動し始めた証拠です。

日光浴は10~20分でOK日焼け止めもOK

朝日のなかで朝食を食べ、通勤・通学で外を歩けば、セロトニン神経は目覚めます。ただ、そのまま会社に閉じこもりきりで帰宅は夜遅くになるという人や、盲中あまり家から出ないという人は、日光不足になりがちです。

朝、しゃきっと目覚めたセロトニン神経も時間が経つと、ダレてくるのです。休憩時間はなるべく外に出て、日光浴をしてください。

時間があったら日差しの中でウォーキング。できれば太陽の力とリズム運動が同時にできて、ベストです。日光浴の時間は、季節や日差しの強さ、体調によってまちまちです。
太陽光は浴びすぎても、だるくなったり、疲れたりして逆効果です。感覚的に「気持ちいい」と思う程度にします。
春・秋・冬の午前中なら、10〜20分程度が適当ですし、夏のぎらつく太陽の下なら5分で十分なこともあります。

セロトニン神経は網膜から入る光信号に反応します。皮膚の感覚は関係ありませんから、紫外線の善が気になる人は日焼け止めを塗っていてもかまいませんし、もちろんお化粧していても大丈夫。

また、網膜から入るとはいっても、太陽をじかに見つめてはいけません。ふんわりとした日の光を浴びれば十分です。セロトニン神経を活性化させるのは起床後の太陽です。徹夜明けで光を浴びても、そのあと寝てしまったら.セロトニン神経も一緒に眠ってしまうので意味がありまっせん。

「セロトニンさん」という、いつも一緒にいて元気をくれる、仲のいい友だちと暮らしているつもりで、規則正しい生活をするように心がけ、その友だちが喜んで働けるような生活をするつもりで毎日を過ごせば、自然と太陽の光を浴びる暮らしに変わっていくはずです。

5分間セロトニントレーニングも参考になります。

涙を流してストレス解消!号泣してセロトニンを活性化する

涙を流して思いっきり泣けば心のストレスがリセットされる

これまではポジティブシンキングの影響で笑うことはいいとと、泣くのはあまりよくないという風潮がありました。笑うことはもちろんいいことですが、実は、涙を流して泣くこともストレスを解消する効果があることがわかってきました。

ずっと心にためていたストレスがあったものの、泣いてはき出したらすっきりしたという経験はありませんか? 笑いには元気を出す効果がありますが、涙には、気持ちをすっきりさせる効果があります。ストレス解消の面から見ると、笑うよりも泣くことのほうが、より効果があるというデータもあります。

セロトニン神経を鍛える効果も、もちろんあります。赤ちゃんが泣くのは、人生最初のリズム運動。大人が泣くことも同じです。

ただ、笑いの場合はつくり笑いでもストレス解消効果がありますが、泣く場合はポロポロと涙が出ても、嘘泣きではあまり効果がありません。号泣することが必要です。

泣くことは毎日できることではありませんが、その分大泣きできれば効果大です。ふだんは笑いで元気を出しながらセロトニン神経を鍛え、涙がこみ上げてきたら、我慢せずに泣けば、さらにセロトニンは活性化します。泣きたくても泣けないというときは逆に要注意です。セロトニン神経が弱って、うつ気味になっている可能性もあります。
食生活や運動、呼吸法を見直し、セロトニン神経を鍛え、心の調子を整えましょう。

週末に感動する映画などを見てうるっときたら思いっきり泣きましょう

号泣といっても、わんわん泣くことばかりが、それとは限りません。涙をこらえ続けてぽろりとこぼれるのも、号泣の一種です。
止めようと思っても涙が止まらない状態になると、脳がストレスを消す状態に入り、涙とともに洗い流してしまうのです。うるっときたら、そのまま涙を流してください。声を出さなくても、心がすっきりします。

涙にもさまざまな種類がありますが、もっともセロトニン神経に作用するのは、感動の涙です。うれし泣き、くやし泣き、もらい泣きもこの分類です。
定期的に感動する映画を観て、こらえきれずに泣くという行為は、ストレス解消のためにはとてもいいことです。

週末には感動ものの映画のDVDを借りて観ると泣けるでしょう。過去に観たものでも大丈夫です。何度も観た人ほど早く号泣できるというデータもあります。自分の部屋ではどんなに泣いても恥ずかしくありませんから、思いきって声をあげて号泣してください。

涙のすっきり効果にリズム運動が加わり、セロトニンも増えて一石二鳥です。ただし、ホラー映画はNGです。「血の気がひく」という言葉があるように、恐怖感は脳の血流を弱め、セロトニン神経の働きを鈍らせてしまいます。心身が絶好調なときに観るならいいのですが、うつ気味のときなどに観ると、かえって落ち込んでしまうことがあります。
また、恐怖のあまりに涙を流したとしても」脳自体の働きが弱まっているのですから、セロトニンを増やす効果はありません。

たまったストレスを洗い流して、しっかり泣いてから寝る

昼間にいやな思いをして、夜、ベッドのなかで泳いたという経験は誰にでもあると思いますが、これは大正解。泣く時間にもっとも適しているのは、夜です。
そもそも、朝は睡眠をとったあとで、ストレス自体があまりない状態なので、涙で流す効果はあまり期待できません。また、-般的に、朝はゆっくり泣いている時間もありません。

感動映画を観るなら、夜にしたほうがベターです。思いきり気が済むまで泣いて、脳のストレスを洗い流してからベッドに入ればぐっすりと眠ることができ、.翌朝の目覚めはすっきり!

仕事中に泣きたくなったら、我慢するよりも泣いたほうが能率が上がる

上司にしかられたり、理不尽ないじめがあったり、大人になっても泣きたくなるようなことは、多々あります。ですが、大勢の人がいる前で、自分の都合で泣くのはやはり考えもの。周囲に不快感を与えたり、変な目で見られるようになったら逆にストレスがたまります。

そんなときは、トイレや人けのないところに行って号泣しましょう。わんわん声を出して泣くと、なおいいです。心にわだかまった気持ちを我慢して仕事を続けるよりも、泣いて感情をリセットしてから仕事場に戻ったほうが、より効率よく仕事ができます。一端かかえたストレスでも泣けばリセットされるのです。

より幸福感を高めるための「幸せ物質」の作り方

幸せに生きたい。これは誰もが当たり前に抱く感情です。ところが、幸せの感受性は人によって異なります。毎日のささやかな出来事に幸福感を覚えることのできる感受性の高い人がいれば、不満や不安ばかりに目がいってしまう感受性の低い人もいます。

この感受性の違いが、その人の幸福度を決定づけています。せっかく125年の長寿人生を築く方法を習得したのですから、幸せな気持ちで人生を楽しみたいものです。

幸せの感受性の違いは、セロトニンやドーパミンなど、人に幸福感を与える神経伝達物質を分泌する力がいかに優れているかにあります。セロトニンとドーパミンをまとめて「幸せ物質」と呼ぶとわかりやすいかもしれません。

セロトニンは、人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質で、心のバランスを整える作用があります。人が喜ばしい出来事に遭遇し、「幸せだなあ」と感じるのも、セロトニンが脳内で分泌されているおかげです。
このセロトニンが不足すると、不安感が高まり、うつ病や不眠症などの睡眠時善が起こることが知られています。

ドーパミンは、快の感情や意欲をつかさどる神経伝達物質で、運動調節や学習なゼにもかかわっています。ドーパミンの分泌量が豊富で十分に機能していれば、何ごとにも意欲的で明るい性格になります。また、恋愛感も、ドーパミンの作用の1つです。

セロトニンとドーパミンは脳内の神経伝達物質ですが、何もないところからつくられるのではなく、材料が必要です。その材料をつくっているのが腸であり、その手助けをしているのが、腸内細菌たちなのです。

セロトニンのもとになるのは、必須アミノ酸と呼ばれる栄養素のうちのトリプトファンで、ドーパミンのもとになるのは、必須アミノ酸のフェニルアラニンです。必須アミノ酸というのは、人間の体に必要不可欠な成分でありながら、体内で十分な量を合成できないため、食物から栄養分としてとくに重視して摂らなければならないアミノ酸のことです。

必須アミノ酸は、肉や魚、卵、大豆、乳製品などタンパク質を豊富に含む食べものからつくられます。ドーパミンやセロトニンを増やすには、これらの食べものをバランスよく摂ることが必要です。

うつ病になると「タンパク質を豊富に摂りましょう」と栄養指導されますが、それは幸せ物質をつくるために必要な材料だからです。

ところが、摂っただけでは脳内の幸せ物質は増えません。トリプトファンがセロトニンに姿を変え、脳内で分泌されるには、いくつかの段階を踏む必要があるからです。食事として摂取されたタンパク質は、ビタミンCの力を借りてトリプトファンヘと分解されます。その後、葉酸とナイアシンの作用を受け、セロトニンの前駆体となる5 -HTPという物質になり、それがビタミンB6の作用を借りてセロトニンが分泌されます。

腸内で行われるこれらの分解の過程で重要な役割を果たしているビタミンC 、葉酸、ナイアシン、ビタミンB6などのビタミンは、腸内細菌が合成しています。人間はビタミンを自分で合成することはできず、腸内細菌が腸内で食物からビタミンを合成してくれているのです。

ドーパミンも同様です。腸内に入ってきたタンパク質が、フェニルアラニンからチロシン、L・ドーパヘと分解され、ドーパミンになるまでには、ビタミンC、葉酸、ナイアシンビタミンB6などのビタミンが使われます。腸内細菌が合成してくれるこれらのビタミンが不足していては、ドーパミンは十分な量が分泌されません。

ここまでの過程を考えると、幸せの感受性は腸内細菌が溝を握っていることがわかります。ところが、脳が人体の働きも感情も支配していると信じている人は、腸が幸せの感情をつくりだす成分を合成しているんだと説明しても、なかなか理解してもらえません。腸内細菌がいなければ、人は決して幸福感を覚えることができないのに、です。

かつて、「無菌マウスが長生きする」という研究結果が発表されたことがあります。それを真に受けて、「人間も腸内細菌がいないほうが長生きする」と述べた学者もいました。

過去から今日まで、無菌状態でこの地球上に存在していたことがありません。無菌状態で生きていては、免疫力が育たないのです。ですから、無菌マウスを私たちの住む通常の環境に連れてきたら、たちまち感染症にかかって死んでしまうでしょう。腸内細菌が腸にいるから、私たちの健康は保たれているのです。

しかも、無菌のマウスは幸福感からほど遠い性格になることも証明されています。スウェーデンやシンガポールの研究チームは、通常の腸内細菌を持つマウスと腸内細菌を持たないマウスを用意し、それぞれの成長を観察しました。

結果は、腸内細菌を持たないマウスは、成長後、攻撃的になり危険をともなう行動を示すことがわかりました。人間でいえば、キレやすい性格です。これに対し、腸内細菌を持つマウスはなんの問題もなく、通常の成長過程を示しました。

また、それぞれのマウスの脳の違いも調べていて、無菌マウスはセロトニンやドーパミンの量が少ないことがわかりました。

腸内細菌がいなければ、セロトニンやドーパミンの分泌がうまくいかず、精神状態に悪影響を与えることが、この研究では示されたのです。

幸せ物質を増やし、幸せの感受性を高めるためには、第一に腸内細菌を増やし、腸内フローフを準えること。それには、善玉菌を食事から摂り込むとともに、腸内細菌の餌になる食物繊維やオリゴ糖などを豊富に含む植物性食品をたくさん食べることです。トリプトファンやフェニルアラニンの合成に必要なタンパク質の摂取は、その次に必要になってくることです。

そしてもう1つ、大事なことがあります。毎日、立派なウンチを出せるよう心がけてはしいのです。「体からの大きな便り」というように、大便の大きさと状態がその人の生命力の強さを表しています。
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ウンチが大きいということは、腸内細菌の畳も多く、幸せ物質の分泌量も多く、幸せの感受性が高いことを表します。ウンチが小さいということは、腸内細菌の量が少なく、幸せ物質の分泌量が少なく、幸せの感受性が低いことを表します。幸せの感受性は、腸内細菌の量と腸内フローラの状態で決まります。腸内細菌が元気になるような生活を心がけていれば、あなたの幸福感は今以上に高まるのです。

前頭葉とつながっている3つのストレス

私たち人間は、大きく分けて3つのストレスを感じています。1つは、身体的ストレス。もうひとつは、快が得られなくなることによって生じるストレス。そして3つ目が、他人から正当に評価されないことによって生じるストレスです。

最初の身体的ストレスは、前頭葉の中でも、体内外のストレスにダイレクトに反応する仕事脳(ノルアドレナリン神経) と深くかかわっていることがわかりました。
2つ目の、快が得られなくなることによって生じるストレスは、学習脳(ドーパミン神経) の働きと深くかかわっていました。そして、3つ目の、自分が相手のためにと思ってしていることが、正当に評価されないことによって生じるストレスも、共感脳(セロトニン神経) の働きと深くかかわっているのです。

なぜなら、このストレスは、「どうして私を理解してくれないの?」と一方的に考えてしまい、相手の気持ちになって考えられないことが原因で生じるストレスだからです。っまり、前頭前野を構成する3つの脳と、人間が感じる3つのストレスは、互いに深い関係にあるということです。

これはストレスという問題を考えるうえでとても大きな発見だと思います。人間が感じる3つのストレスは、どれも、最も人間らしい脳によって影響を受けていたのです。

そう考えれば、「脳ストレス」が前頭前野と関連していることも納得できます。また、脳ストレスを消すためには、ドーパミンやセロトニンを鍛えればいいということもおわかりでしょう。その中でも特に、3つの脳のバランスを整える「セロトニン神経」の役割が非常に重要です。

活性化させることで、人間は平常心を保つことが可能になります。そして、共感脳にかかわる「正当に評価されないストレス」だけでなく、「身体的ストレス」や「快が得られないストレス」をも受け流すことができるようになるのです。

5分間のセロトニンとレーニングはこちらです。

共感脳とセロトニン神経との関係性

共感脳の働きである「社会性」や「共感」については、主にセロトニン神経との関係について説明します。学習脳がドーパミン神経によって活性化し、仕事脳がノルアドレナリン神経の働きによって活性化するように、共感脳もセロトニン神経によって活性化します。

セロトニンは、ノルアドレナリンと同じように、脳に覚醒をもたらす神経伝達物質ですが、ノルアドレナリンがホットな覚醒をもたらすのに対し、セロトニンは「クールな覚軽」をもたらします。っまり、脳が高い働きができるような状態を常に維持してくれるわけです。

また、ノルアドレナリン神経が脳全体にネットワークをめぐらしているのと同様、セロトニン神経もほぼ同じ場所にネットワークを構築しています。このようにノルアドレナリン神経とセロトニン神経は似ている部分があるのですが、決定的な違いが1つだけあります。

それは、ノルアドレナリン神経が、内外からのストレス刺激によって放出量を変えるのに対して、セロトニン神経はそうした刺激の有無にかかわらず、常にl定圭のセロトニンを放出し続けるということです。
また、セロトニン神経には、それ自体が何か仕手をするわけではないという特徴があります。

オーケストラの指揮者を想像してみてください。指揮者は全体のバランスを整えることですばらしい演奏を演出しますが、指揮者自身が楽器を演奏するわけではありません。セロトニン神経の働きも、それと同じなのです。つまり、一定量のセロトニンが規則正しく出ることによって、セロトニン神経は、ドーパミン神経やノルアドレナリン神経の過興奮を抑え、脳全体のバランスを整え、「平常心」をもたらすという働きをしているのです。

「学習脳」「仕事脳」のところで、それぞれドーパミンとノルアドレナリンが出すぎることによって起きる問題について触れましたが、実はセロトニン神経が活性状態にあれば、この2つの神経が多少過興奮しても、それぞれの過興奮を上手に抑えてバランスを整えてくれるのです。

もちろん、セロトニンも過剰に出すぎると、仏教の修行などで「魔境」といわれる幻覚を見るような状態になることがあるのですが、これはよほど修行を積んだ人に見られるもので、普通の生活を送りながらセロトニンを鍛える場合には、そうしたところまでセロトニンが出ることはまずありません。

機能が低下して問題を起こすことはあっても、ドーパミン神経やノルアドレナリン神経のように、過興奮することはまずないといっていいでしょう。セロトニン神経を鍛えれば、ストレスに強くなるというのは、こうした中枢としてのコントロール機能が働くことを意味していたのです。

仕事脳 ノルアドレナリン神経は危機管理担当

仕事脳の主な機能は「ワーキングメモリー」と呼ばれるものです。これは、瞬時にしていろいろな情報を分析し、経験と照らし合わせることによって、最善の行動を選択する」という機能です。

たとえば車の運転がこれにあたります。動物には、車の運転ができません。前頭前野が未発達で、経験知の少ない子供にもできません。お酒を飲んで前頭前野の機能が低下してしまったときも、安全な運転はできません。
車の運転のように一瞭のうちにさまざまな仕事をこなすのは、脳の機能としてもとてもハードなものなのです。

それだけに、前頭前野が正常に働いているときでないとできないのです。この仕事脳の働きと密接にかかわっているのが、ノルアドレナリン神経です。ノルアドレナリンもドーパミンと同じく興奮物質ですが、ノルアドレナリンは、いわば生命の危機や不快な状態と戦うための脳内物質なので、ドーパミンの「快」とは逆に、「怒り」や「危険に対する興奮」をもたらします。

たとえば、リングの上の格闘家や、戦場の戦士たち、腹が立って仕方がないときなどが、ノルアドレナリンによって脳が興奮している状態といえます。ノルアドレナリンは、適量であれば、脳に適度な緊張をもたらし、ワーキングメモリーの働きをスムーズにする効果があります。

適度に緊張していた方が、仕事や運転がうまくいくのはこのためです。では、ノルアドレナリンはどのような刺激によって出るのでしょう。ノルアドレナリンの放出は、身体の内外から加わるストレス刺激によって生じます。

ですからストレスが適度なものであればいいのですが、ストレスが強すぎ、ノルアドレナリンが多く出すぎてしまうと、脳が過緊張に陥り、かえってワーキングメモリーが動かなくなってしまうのです。ノルアドレナリン神経は、仕事脳だけではなく、脳全体にネットワークを持ち、身体に起きた危機に対処するためのさまざまな反応を引き起こします。その働きは、まさに危機管理を担うものです。

たとえば、自律神経に働きかけ、血圧を昇させ、心臓の拍動を速め、危機的な状況に対処する準備を準える。そして脳全体にノルアドレナリンという興奮物質を行き渡らせることで、脳全体を「ホットな覚醒」に導き、この戦いに勝ち目はあるのかないのか、戦った方がいいのか逃げた方がいいのか、という判断から具体的な行動へと誘導するのです。

私たち人間が、これまで絶滅することもなく生き延びてこられたのは、このノルアドレナリン神経の働きのおかげといっても過言ではありません。仕事をテキパキと進め、いざというときには身を守ってくれるノルアドレナリン神経ですが、これも過度に興奮しすぎると、悪影響をもたらします。

それが「暴走」です。ノルアドレナリンが過剰になる主な原因は、過度のストレスです。ストレスが強すぎたり、溜まりすぎたり、長期間加わり続けると、ノルアドレナリンが過剰になり、脳の興奮がコントロールできなくなってしまいます。こうしたノルアドレナリンによる脳の異常興奮は、うつ病をはじめ、不安神経症やパニック障害、強迫神経症や対人恐怖症などさまざまな精神疾患をもたらします。

ストレスが長く続くとうつ病になってしまうのは、セロトニン神経だけでなく、ノルアドレナリン神経の過興奮とも深くかかわっていたのです。
ストレスとうつの関係性についてはこちら。

学習塾でドーパミンがドバっと出る

学習脳というのは、文字通り学習するときに働く脳なのですが、学習とは脳にとって何なのかというと、実は「報酬を前提にして、いろいろな努力をする」ということです。この報酬を前提に学ぶというのは、実は動物にも見られるものです。

たとえば、サーカスの動物たちが芸を学習するのは、「エサ」という報酬がもらえるから。ペットの犬にお手やお座りなどを仕込むときも、報酬としてエサが使われます。でもこれは1つの条件反射のようなもので、人間の場合の学習と報酬の関係はもっと複雑です。人間にとっての報酬は、一言で言えば「快」です。具体的に言うと、地位や名誉、お金、女性の場合だと美しさも報酬になります。何を快と感じ、何のために努力するかは人によって異なりますが、報酬のために一生懸命頑張るのはみな同じです。

たとえば、今は幼稚園受験から受験勉強を始める人もいますが、そこまでして勉強するのは、いい学校に入って、そこでいい成績を上げて、いい大学に進んで、いい会社に就職するためです。なぜそこまでしていい会社に就職したいのかといえば、そうすればいい給料をもらって、素敵な異性と結婚できて、賢い子供を授かって幸せな家庭を築くことができると思っているからです。

実際には、このように単純には進んでいかないので、これは1つの「夢」なのですが、こうした「夢」が報酬となって努力を積み重ねていくというのが、人間の営みの1つであることはいえると思います。

そして、この仕事脳の働きを活性化させるのが、ドーパミン神経です。ドーパミンというのは、脳を興奮させる興奮物質の1つです。しかも、ドーパミンによってもたらされる興奮は「快感」です。オリンピックの水泳金メダリスト北島康介選手が、金メダルを取ったレース直後に「チョ一気持ちいい」と言ったのは有名ですが、あの状態がまさにドーパミンによって脳が興奮している状態です。こうした「快の興奮」は、心地よさと同時に、「意欲」をもたらします。

たとえば、テストでいい成績を取ると、喜びと気持ちよさを感じますが、そのときわ同時に、次はもっといい点数を取ろうという意欲が湧いてきます。つまり、報酬を目指して努力して、その報酬が得られると、さらなる意欲が湧いてきて、より一層の努力ができる、という構造になつているのです。

とてもよくできた仕組みだと思いますが、実は、ここには「落とし穴」も隠されているのです。それは、報酬が得られなかったときです。努力をしたからといって、必ず報酬が得られるかというと、それは違います。また、お金や名誉などを報酬にしてしまうと、限界というものも生じてしまいます。

ドーパミン神経は、報酬が得られる限り「もっと、もっと」と意欲的に努力を続けることができますが、その半面、報酬が得られなくなると、得られなかった快が不快として認知され、大きなストレスとなってしまうのです。

人間ならではのストレスの1つ、「快が得られなくなることによって生じるストレス」が、まさにこれにあたります。人間の「快」を求める気持ちはとても強いものです。それだけに、不快に転じると大きなストレスとなってしまいます。そして、そのストレスが高じると、場合によっては「依存症」という病気に結びついてしまうこともあるのです。

依存症として有名なのは「アルコール依存症」ですが、これも、お酒が切れると、それらがもたらす快が失われるので、また欲しくなり、飲むともっと飲みたくなり、っいには飲むためなら何でもするようになってしまうという病気です。

こうなってしまうと、自分の意志の力だけでコントロールすることはできません。医師の治療を必要とするのですから、正常な心の状態とはいえません。依存症には他にも薬物依存や、買い物依存などさまざまなケースがありますが、どの場合も最初はそれが「快」をもたらすものであったということは一致しています。

ドーパミン神経は、ちょうどよい状態にあれば、意欲やポジティブな心の状態をつくり出します。また、食欲や性欲といった生存には欠かせない欲求を演出する神経でもあるので、生きていくうえでとても大切な神経なのですが、興奮が過度になると、依存症という深刻な問題をもたらす危険性をも持っているのです。

3つの脳によって“人らしさ”が構成されている

人間に「人間らしさ」をもたらしている前頭前野、その中でも真ん中に位置する共感脳が、私たちの「心」の中でも共感やがまん、理性といった「社会性」に関する働きをしている場所だということがわかりました。

では、前頭前野のそれ以外の場所は、何をしているのでしょう。実は前頭前野には3つの大切な働きがあります。

1つは「共感」、そして残りの2つは「仕事」と「学習」です。それぞれの働きを脳の位置でいうと、「共感脳」は前頭前野の真ん中、「仕事脳」は共感脳の外側上方、「学習脳」は共感脳の外側で、仕事脳の下に位置しています。

脳というのは、わかりやすく言えば神経の束です。目、耳、鼻、口、皮膚感覚などを通して感じられた情報は、体中に張りめぐらされた神経を通って、脳にもたらされます。

ですから、モノを見ているのも、音を聞いているのも、臭いや味を判断しているのも、痛みを感じているのも、突き詰めていえば脳が感じているのです。身体と脳をつなぐネットワークがあるように、脳の中にも脳のさまざまな部分をつなぐネットワークがあり、互いに影響を与え合っています。脳内ネットワークを構築している神経細胞の数は約百五十億個もあり、その中で○○神経というように呼び名がついています。そして、その名前は、その神経が情報伝達に使用している物質の名前が用いられるのが決まりになっています。

こうした物質は「神経伝達物質」または「脳内物質」と呼ばれます。みなさんも「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」といった名前を聞いたことがあると思いますが、それらは神経伝達物質の1つです。よく、脳は微少な電流によって情報が伝わるといわれています。

確かに脳には微少な電流が流れているのですが、神経と神経の間で情報を伝達しているのは、電流ではなく、電流の刺激によって放出される神経伝達物質です。つまり、ドーパミンという神経伝達物質を使って情報伝達を行っている神経が「ドーパミン神経」、ノルアドレナリンを使っているのが「ノルアドレナリン神経」、セロトニンを使っているのが「セロトニン神経」と呼ばれるということです。

前頭前野を構成する3つの脳、「共感脳」「仕事脳」「学習脳」は、それぞれ今言った3つの神経と密接にかかわっています。「学習脳」はドーパミン神経。「仕事脳」はノルアドレナリン神経。「共感脳」はセロトニン神経。

私たち人間の心は、実はこうした脳の働きの現れなのです。人の心は一定ではありません。普段はとても思いやりのある人でも、ときにはイライラしたり、ひどく激昂したりと、そのときどきで変化します。こうした感情の変化は、脳の働き具合によって生じる変化なのです。3つの脳にはそれぞれに特徴があり、私たち人間の心模様は、そのどの部分が強く働いているかにょってコロコロと変化しているというわけです。