ストレスに対する構え方

ストレッサーは、生身の人間を襲います。それを受けとめる側の身体的条件、体質の問題も大事なことは当然ですが、そのストレッサーを、しつかりと受けとめる心構えのあり方もとても重要です。

動物のストレッサーに対する行動のあり方は単純です。遺伝された反応パターンのいくつかのなかで行動します。ところが、人間は、生まれてからの長い子ども時代にさまざまな反応の学習を通じて、ひとりひとり独特な性格になります

Aさんは、「どうだい、君にこれはできますか?」と言われて課題を与えられると、「なにクソ!」とがんばる力がわきます。ところがBさんは「できそうにないな。やめときます」と引き下がります。
Cさんは、「むずかしそうだけど「断るのはみっともないな。人はなにをいうだろう」と遽巡しています。

もっといろいろなケースが考えられるし、もっとたくさんのケースがあります。、この3つの場合でも、ストレッサーから受ける影響にはそれぞれ違いがあります。

Aさんは、うまくいけば大きな達成感を味わい、成長する。Bさんは、ストレスもないかわりに充実感がありません。Cさんは、一番ストレスをためこみやすい。かつ満足感も少なく疲労しやすいでしょう。

また、別の場合にはこうなります。仕事が1つ終わったとき、Aさんは、「やった!終了した!。最終のチェックをして、ハイ、終わり」と、きれいにかたづけました。HBさんは、「一応終わったけれど、なんとなく心配だな。明日またたしかめてみよう」と、なんとなく気がかり。Cさんは、「これで、終わったけれど、途中でAさんがへんなことをいっていたな。なにか別の心配があるのかな」などと、振りかえり、なかなかけじめがつきません。Cさんが一番ストレスをためこみやすいといえるでしょう。

このように同じストレスであっても、それを受けとる人の構え方の問題は大きいのです。同じ労働条件のなかにあっても、それをどうこなすか。どんなに忙しくとも、要領よく休息のできる人と、もう心配になって先へ先へと考えて休息できない人と、これでは影響の受け方も違うのです。

とはいえ、現代の日本の超過密・長時間労働は、労働者の性格や心構えの個人差すら塗りつぶしてしまう勢いであることも否定できません。
サービス残業、フレックスタイム、あるいは長距離通勤など、客観的に労働者の休息時間がつくれなくなっていまする。新幹線通勤で、列車のなかで睡眠を確保しているという人がいるくらいです。個性的な休息の選択というには、あまりに貧しいのです。

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