頭の働きも栄養や食事が決める
食事のアンバランスが頭まで狂わせて登校拒否や家庭内・校内暴力なども生み出しているとか、同じ原因からの学習不能児の増加でアメリカの大学生の中にはかなりの数の字も読めない「機能的文盲」がいるとかいったショッキングなことも明らかにされています。
ガンが食源病だという歴史的な指摘は、頭の働きと栄養や食事の関連を見事に裏づけたレポートも発表しています。これもそれまであまり注目されていなかった新しい観点を示した歴史的なレポートでした。
頭の働きとの関連では主に4つのことが明らかにされています。
子供たちの食生活が起こす低血糖の危険性 – Memo Note
- 食品添加物などが、ある種の子どもの頭を狂わせていること
- 頭にアレルギーが存在すること
- 低血糖症という新しい現代病も頭を狂わす有力原因であること
- 鉛、アルミニウムなどの有害な金属も顕を狂わすこと
こういう新しいタイプの頭を狂わす原因も現代では増えていることが確認されています。。1の添加物の増加などは誰でもすぐに納得できる例です。
異常行動児にもなる子の40% は食品ケミカルが直接原因になっているという専門家もいます。こういう子も食品ケミカルのない食事を与えればすぐに治るからです。これは厳密にはアレルギーとは違いますが、要するにケミカルは「生体異物」なのでそれに人体は対応しにくく、対応力の弱い子にはこういう形で現われるということです。
しかし成人にも起きる可能性は大です。また精神病の栄養・食事療法の病院としてニューヨーク州の指定病院になっている病院があります。農薬撒布期に必ず頭が狂う農夫の例が確認されています。宇宙服のような完全装備で農薬を撒くようにさせたらそれ以来全く病気は起きなくなったというのです。
2頭のアレルギーに関しては、食物によって頭にアレルギーが起き、精神病みたいな症状を起こす子どもや成人の例を500例も集めて詳しく分析しました。
脳はもっとも敏感な器官だからこんなことも起こるのであり、その被害者である頭のアレルギー患者を精神病者扱いするのはあまりに不当です。
アレルギーを起こす問題の食物を断つことで対処するのが基本んです。しかし、よくいわれるようにアレルギーが出るのは体力の低下が引金になることを考えると、半健康人の多い昨今では、頭のアレルギーを起こしやすくなっている人も増えていると思われます。
3の低血糖症は日本でもかなり増えているのが実証済みです。高血糖症の糖尿病ならよく知っているが、低血糖症なんて初耳という読者が多そうです。しかし読者が日本でも増えているのが確実な新しい現代病です。
うつの原因かもしれない「低血糖症」 | 食事でもっと健康になる
低血糖症の症状
- その1 精神的症状
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- しばしば心が空白になる
- 頭の中が混乱しやすい
- 忘れっぽい
- 集中力がなくなる
- 仕事や勉強の成績が普通以下になる
- カットしやすい
- 感情をコントロールできない
- 性的欲望が過度に強い
- 男性はインポ、女性は不感症になる
- 物事をきちんとすること、身だしなみに無関心になる
- 他人とうまく協調できない
- 気分がふさぎこむ
- 仕事に興味がもてない
- ひどい神経質
- 悩み、恐れを感じる
- 強い緊張感がある
- 理由のない恐怖に襲われる
- 気持ちがいつも落ち着かない
- その2 身体的症状
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- 日光がまぶしい
- 時々、目がかすみ二重に見える
- 午前中や食前に頭がふらついたり、眩暈、震えがある
- 朝のうち、非常に消耗しきった感じがする
- 1日のうちで午前中と夕方、非常に気弱になる
- 目覚めたときに虚脱感に陥る
- アルコール、コーヒー、タバコ、薬などの刺激剤が必要
- 甘菓子、清涼飲料をとったときに気分が良くなる
- 腹部に痛みがある
- 時々、激しい食欲がわく
- 少量のアルコールですぐに酔う
- 非常に塩分がほしくなる
- 激しい頭痛がある
- 暑さに弱い
- 皮膚にトラブルがある
- 手足が冷える
- ひどく汗をかく
- 時々、心臓の鼓動が早くなる
- 水をあまり飲まない
低血糖症は体のエネルギー源である血液中の糖分が不足する病気なので、エネルギー・ショックになった体は実に多彩な症状を起こします。
体ばかりでなく心にも奇妙な症状を起こします。精神科医で当時全米分子矯正医学会(栄養療法の医学)会長だったレッサー博士は、精神分裂病者の67%に低血糖症が背後原因としてからんでいると証言しました。
低血糖症の症状だが、体と心に実に80種もの多彩な症状を起こします。もっともよく起こる症状だけ拾ってみても、体の症状では、けいれん、関節や筋肉の痛み、不眠、ものが二重に見える、ひどい疲労感、すごい空腹感などがあり、男子ではインポ、女子では生理不順や不感症なども起こります。
アメリカでは、現代のセックス・トラブルの背後には必ずといっていいくらい低血糖症がからんでいるという医者もいるほどです。
心の異常の背後には低血糖症の存在も
心の症状も多彩で、落着きのなさ、意味のない不安や恐怖感、集中力の欠如、イライラなどと多彩です。10余年前の日本生産性本部の調査でも、サラリーマンの1割以上が精神科医のカウンセリングが必要なほど精神的におかしくなっているというのです。
また、同じような指摘が大学の学生課とかでも現代の大学生についてなされています。これらの背後にも低血糖症がからんでいる場合があります。
日本でもこの病気に注目する専門家が少しですが増えていて、たとえば岩手大学の大沢博名誉教授なども著書『【エントリーでポイント10倍!【中古】単行本(実用) ≪生活・暮らし≫ 食原性症候群 食事できまる体と心 / 大沢博』(プレーン出版刊)という本で日本での状況を詳しく報告しています。
この本には、精神的におかしくなって3回も自殺をはかった同大学の学生の例なども紹介されています。この学生はやはり数十種類もの低血糖症の多彩な症状を体験していました。そして教授の指導で食生活を改善し、快方に向かいました。ここで低血糖症という新しい現代病がどんな病気なのか、それが現代風の食生活とどう結びついているのかを簡単に紹介します。
過剰精製食品に原因がある低血糖症
低血糖症とは、その名のとおり血液中のエネルギー源たる血糖のレベルが急に低くなる病気ですが、その原因はひと口に「三白」だといわれています。「三白」とは砂糖、白米、白パンといった精製され過ぎた食品のことです。
これら「三白」の特徴は消化吸収がよ過ぎることです。疲れた時に砂糖をなめると急に疲れがとれたような気になるのも、砂糖がすぐに吸収されて血液中に出てくるためです。
しかし、このように消化吸収のよ過ぎることが実はいけないのです。
一口にいえば、それは人体の自然な消化吸収のスピードを無視したスピード違反であり、そのスピード違反がもとになって低血糖症は起きます。また精白した米や小麦も精白しないものに比べ、消化スピードはずっと速い。体に入った食物の消化吸収や細胞の中に食物を糖分として取り込むのに関係しているのですが、膵臓から分泌されているインスリンというホルモンです。
そこで消化吸収のよ過ぎる食べものが体に入って急激に血糖レベルが上昇すると、それを正常なレベルにもどすために、体はインスリンを大量に分泌して対応しなければなりません。
しかし、もともと人体は自然な食品のゆっくりした消化吸収とペースが合うようにできているので、このスピード違反には面食らってしまい、インスリンを大量に出し過ぎてしまいます。
そしてその結果は血糖レベルを逆に下げ過ぎてしまい、低血糖症が起きるのです。もともとゆっくりした消化吸収にペースを合わせて必要な分だけのインスリンがゆっくりと分泌されていればいいのに、現代の食品はスピード違反の食品が多くなっているので、膵臓も面食らって血糖レベルを下げ過ぎるほどのインスリンを出してしまうというわけです。
現代の食品は三白に限らず何でも口当たりがよく、消化吸収がよ過ぎるようにできています。
たとえばイギリスの学者の実験だが、リンゴを丸かじり、裏ごし、ジュースの3つのやり方で人間に与えた実験があります。この場合もジュースを飲んだ場合は急激に血糖値が上がり、またその後で急激に血糖値が下がりました。
丸かじりの場合は血糖値のカーブが一番なだらかで無理がないものでした。
ジュースは当然繊維がなくなっていますが、専門家の意見として「繊維があれば、糖分の吸収スピードはちょうど膵臓の自然なインスリン分泌スピードと合う」現代では「三白」に代表されるように、われわれは食品を過度に精製加工したり、またリンゴをジュースにするのに象徴されるように、食品を繊維不足にして口当たりだけよくしたり、そのうえ繊維の多い食品の摂取比率を減らしたりして低血糖症を生み出しているのです。
さらに低血糖症にはビタミンやミネラルの不足もからんでいるのは間違いありません。なぜならば低血糖症は「三白」を止めたり、その他の食事上の改善に加えビタミンやミネラルの補給で治る病気だからです。
気づかれないままに低血糖症は国内でも急増している
低血糖症はいま見たように、現代的食生活の間違いをそのまま象徴するような病気だけに時代を追って増加してきました。10余年前アメリカが最初にこの病気を発見した20世紀前半では、まだ珍しい病気でした。
それが低血糖症の増加(アメリカの徴兵検査では4人に1人の割合で低血糖症的傾向があるとされていた)の中でとても多くの影響を及ぼしているのです。
またこの病気で血糖レベルが健常者の3分の2、ひどい場合は2分の1に下がったりするのは、食後4~5時間経ってからなので、食後2~3時間までしかやらない現在の血糖検査では発見されないのです。
これもまた、増加が確かなのに日本では一部の研究者にしかこの病気が認識されていない理由でもあります。低血糖症はそれとは逆の高血糖症である糖尿病の前駆症状なので、糖尿病の増加が著しい今のわが国で増えているのは常識でもわかります。
消化吸収のよ過ぎる食物のためにインスリンを何とか無理して大量に生産していた膵臓は、やがて疲弊してしまいます。そしてついに必要なだけのインスリンも出せなくなります。
こうなるとインスリン不足病の糖尿病になります。さっき繊維の重要さを紹介しましたが、繊雄が十分にとられていれば糖尿病にならないことは今では常識になっています。
このことから考えても低血糖症が糖尿病の関連性が強いことはわかるはずです。多くの専門家が指摘している血糖バランスの崩れではないかと思われるケースが増えているということです。今からいえば20近く前から日本でもそんな子が目立ってきているということになります。
麻薬にもなる砂糖の怖さ
また時々登校拒否児の父兄からもらうこんな話があります。昭和57年の日教組全国教育研究集会では「非行に走る子には食生活の乱れが目立つ」という発表があり注目されました。そしてそういう子は「甘い菓子や清涼飲料水のとり過ぎで成長期に必要な蛋白質、カルシウム、ビタミン類が完全に不足だったというものです。
ここでいわれている問題児がみな低血糖症だなどというつもりはない。しかし低血糖症の有力原因の1つ、砂糖の害はぜひここで述べておきたいと思っています。
- あんこ屋の息子飯野少年は高校時代、受験勉強に疲れるとよく丼ぶり一杯のあんこを食べました、するととたんに幻覚まで起きたという話です。こんな体験から問題児などの治療では砂糖は厳禁でした。
- 少年鑑別所の少年に与えられる砂糖の量を減らしただけで少年たちの行動がずっとよくなったという報告があります。東北地方の少年院の少年たちが家庭にいた時の食事には、間食が多く大切な栄養がとられていなかったというものです。
よく「砂糖は麻薬だ」と言う人がたくさんいます。上のふたつはまさに砂糖の麻薬ぶりをよく示しているのですが、問題児の中にも砂糖を止めさせただけですぐ効果の上がる子どもがいたという報告もあります。
「砂糖は麻薬」といういい方は別に大げさないい方ではないのです。いまの実験でネズミの脳の中のドーパミンという物質のレベルも調べました。すると砂糖を大量に与えられたネズミはドーパミンが極端な不足状態になることがわかりました。ドーパミンは神経刺激の伝達物質なので、これの不足は当然神経の働きをおかしくします。
砂糖はさらにもう1つの意味でも麻薬になっているのは確実と見ていいでしょう。それは低血糖症→アドレナリンの過剰分泌→麻薬という経路を通じてです。
砂糖は血糖の乱高下を起こして低血糖状態も起こします。すると体は低血糖状態からくるエネルギーショックに対処するためにアドレナリンというホルモンを分泌させて血糖レベルを正常レベルに引き上げようとします。
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