息を吐くときに一緒に声を出すとセロトニンが活性化する「張りのある声」は気分をさわやかにしてくれる
腹筋のリズム運動をする動作は、ふだんの生活のなかでも意外と多いものです。声を出すこともそのひとつ。会話する、歌を歌う、笑うなどの行為には必ず、発声が伴います。
ここではセロトニンを活性化させ、元気になる発声法を紹介します。マスターすれば、セロトニンが増えるばかりでなく、よく通る張りのある声を出せるようになります。これは歌の発表など、特別な機会がなくとも、ふだんの会話のなかでも使えることです。
声は、肺から出た空気が喉頭にある声帯を震わせることで出ます。このとき、肺から出る空気をそのまま声に変えてしまうと、小さく弱々しい声になってしまいます。張りのある元気な声を出すには、腹筋の力を使って横隔膜を押し上げることが必要です。こうすることで、よりたくさんの空気を肺から出して、声にして出すことができるのです。腹筋を使って呼吸することが、元気な声のもとになるわけです。
誰だって、元気な声で話す人に好感を持ちますし、話しているだけで元気づけられますよね。張りのある声を出すことで、セロトニンが増えて自分の気分が爽快になり、周囲の人のことも元気づけ好かれる人になれるのです。
人に好かれる声で話すには
発声は息をはくことと密接な関係があります。いい声で話すには、まず腹筋呼吸の方法から練習からスタート。坐禅や呼吸法を実行すれば、自然に腹筋呼吸ができるようになりますから、まだやっていない人はぜひ始めてください。
大きな声、元気な声を出そうとするあまり、のどをしぼり上げるように声を出す人がいますが、これは逆効果。思うように声が出ないばかりか、のどを痛めてかすれた声になってしまうこともあります。また、そういうときは肩に力が入っていますから、周囲に無駄な威圧感を与えてしまうこともあるので要注意です。
周囲から好かれるような声を出すには、声帯を開放しておなかから声を出すイメージが大切です。ボリュームを調整すれば日常会話から、大きな声まで自由に出せますし、会議などで長時間しゃべっていても声がかすれることはありません。
お腹から声を出す
- 吸う
- 両手を下腹部にあてがい、腹筋の動きを確かめながら鼻から息を吸います。息を吸ったときにおなかがふくらみ、胸が動かなければ成功です。胸に手を当てて、辛が動いていなければうまくいっている証拠。このとき、肺に空気が入っていきます。
- 声を出す
- 十分に息を吸ったら、腹筋を使って肺から空気をはき出します。その空気にのせて声を出しましょう。「あ・い・う・え・お」「おはよう」など、言葉はなんでもかまいません。腹筋が動いていれば成功です。横隔膜を引き上げるつもりで、勢いよく空気をはきます。慣れてくると意識しなくても、ふだんの会話のなかで、この発声ができるようになります。
声を出して読めば心も「スッキリ」
音読してセロトニンを増やす
脳を活性化させる音読でセロトニンも増やす
声を出して文章を読むことを音読と言います。発声練習で上手に声を出せるようになったら、音読にもチャレンジしてみてください。
セロトニン神経をより鍛え、体内のせロトニンを一層、増やすことができます。ところで、音読する.ことが脳を活性化させ、認知症予防などに効果があると大ブームになりました。音読が脳を活性化させるのは脳のなかの前頭前野という部分に刺激を与え、思考力を破えることが大きな理由ですが、セロトニン神経を鍛える観点から見ると、メカニズムは少し遣います。
まず、腹筋呼吸をして声を出すことで、セロトニン神経が鍛えられます。普通の発声と変わりませんが、文章には強弱を表す韻や、感情表現がありますはね。句読点を意識したり、感情を込めて文章を読むことで声にリズムが加わります。
単なる発声練習よりも、より高度なテクニックが必要になるのです。腹筋呼吸による発声+リズムというセロトニンを活性化させるのに不可欠なものがそろっているのですから、効果があるのも当たり前です。
音読する本のジャンルには制限はありませんが、特に、韻を踏んでいて、声に出したときにリズムがある文章を読むとセロトニンが活性化するというデータがあります。
女章のリズムのことはよくわからないという人は、俳句や短歌を読むのがおすすめです。俳句や短歌は声に出して詠まれることを前提にしてつくられていますし、「五・七・五」というリズムがそなわっています。
歌を歌えば腹筋呼吸ができる
カラオケがストレス解消の方法という人は多いものです。歌を何曲も熱唱するとすっきりとします。 それは、歌を歌うことがセロトニンを増やす腹筋リズム運動そのものだからです。ただし、鼻歌では効果がありません。腹筋呼吸をもとにして、大きな声を出して歌うことが大切なのです。
オペラ、クラシックなど専門的な声楽の発声方法は、腹筋呼吸そのものだと言われます。一般的な歌唱法を指導するボイス.・トレーニングでも、に基づく歌唱法を教えています。
声楽家はマイクなしでもホールのすみずみまで美しい声を届けますが、呼吸法を自在に操ることができれば、私たちでもプロのような声を出せるようになるのです。
声ははく息が声帯を震わせてで挙るというものだということはすでに述べましたや腹筋を使って息をはくときには大きな圧力がかかり、声帯にぶつかると、のどは壊れてしまいます。
やたらに大きな声を出すとのどが痛くなったり、声が枯れてしまったりするのはこのためです。この圧力を調節する場所が、横隔膜。腹筋を収縮させると横隔膜が押し上げられ、それによって息をはきます。そのまま声にするとのどを痛めてしまうため、専門家は横隔膜を押し下げるような力を加えて、腹筋の圧力を制限するのです。
つまり、収縮させた腹筋から生まれる、上に向かう圧力を横隔膜の収縮によって下へ向かう圧力を変えます。腹筋と横隔膜の両方を使って互いの力を打ち消すのです。こうするとのどが完全に開き、息の流れが止まります。この状態から発声することが基本です。
ぴっくりするはど長く続く歌声が出せるようになる
腹筋呼吸を意識して歌うだけで、セロトニンはどんどん増え、また、張りのあるよい声も出ますから、カラオケはどんどん利用したいもの。
社歌や校歌など、みんなで合唱する機会があったら、大きな声で歌ってください。思いきり歌ったあとはかなり疲れますが、これは腹筋を使った呼吸ができている証拠です。オペラ歌手などは立ったまま歌うだけで汗びっしょりになることがあります。これは腹筋と横隔膜をコントロールするために、全身の筋肉を使うからです。声楽家ちょうようは腹筋を使うときに肛門を締め、太もものつけ根から斜め上に伸びる腸腰筋を両側とも上に引っ張りあげるようにします。続いて、腹筋で生まれた力を引っ張るように意識します。で声帯を斜め後ろにピンと張るように力を入れ、せるというのです。
とても難しいことですが、肛門を締めて、力が上に向かうように意識しながら腹筋呼吸をすると、驚くほど長く歌声が出せるようになります。伸びのある曲を歌うときにトライしてみてください。