3つの脳によって“人らしさ”が構成されている

人間に「人間らしさ」をもたらしている前頭前野、その中でも真ん中に位置する共感脳が、私たちの「心」の中でも共感やがまん、理性といった「社会性」に関する働きをしている場所だということがわかりました。

では、前頭前野のそれ以外の場所は、何をしているのでしょう。実は前頭前野には3つの大切な働きがあります。

1つは「共感」、そして残りの2つは「仕事」と「学習」です。それぞれの働きを脳の位置でいうと、「共感脳」は前頭前野の真ん中、「仕事脳」は共感脳の外側上方、「学習脳」は共感脳の外側で、仕事脳の下に位置しています。

脳というのは、わかりやすく言えば神経の束です。目、耳、鼻、口、皮膚感覚などを通して感じられた情報は、体中に張りめぐらされた神経を通って、脳にもたらされます。

ですから、モノを見ているのも、音を聞いているのも、臭いや味を判断しているのも、痛みを感じているのも、突き詰めていえば脳が感じているのです。身体と脳をつなぐネットワークがあるように、脳の中にも脳のさまざまな部分をつなぐネットワークがあり、互いに影響を与え合っています。脳内ネットワークを構築している神経細胞の数は約百五十億個もあり、その中で○○神経というように呼び名がついています。そして、その名前は、その神経が情報伝達に使用している物質の名前が用いられるのが決まりになっています。

こうした物質は「神経伝達物質」または「脳内物質」と呼ばれます。みなさんも「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」といった名前を聞いたことがあると思いますが、それらは神経伝達物質の1つです。よく、脳は微少な電流によって情報が伝わるといわれています。

確かに脳には微少な電流が流れているのですが、神経と神経の間で情報を伝達しているのは、電流ではなく、電流の刺激によって放出される神経伝達物質です。つまり、ドーパミンという神経伝達物質を使って情報伝達を行っている神経が「ドーパミン神経」、ノルアドレナリンを使っているのが「ノルアドレナリン神経」、セロトニンを使っているのが「セロトニン神経」と呼ばれるということです。

前頭前野を構成する3つの脳、「共感脳」「仕事脳」「学習脳」は、それぞれ今言った3つの神経と密接にかかわっています。「学習脳」はドーパミン神経。「仕事脳」はノルアドレナリン神経。「共感脳」はセロトニン神経。

私たち人間の心は、実はこうした脳の働きの現れなのです。人の心は一定ではありません。普段はとても思いやりのある人でも、ときにはイライラしたり、ひどく激昂したりと、そのときどきで変化します。こうした感情の変化は、脳の働き具合によって生じる変化なのです。3つの脳にはそれぞれに特徴があり、私たち人間の心模様は、そのどの部分が強く働いているかにょってコロコロと変化しているというわけです。

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