笑いにはセロトニンを増やす効果抜群

落ち込んだときやうつっぽい気分を吹き飛ばす笑い声は心身共に元気にしてくれる

笑う門には福来たる」ということわざがあります。つらいことがあっても、貧乏でも、笑っていればいいことがある、という一種の戒めですが、このことわざは事実であることが、いよいよ科学的に検証されました。

笑い
笑い

1964年、アメリカで雑誌編集長をしていたノマン・カズンズさんが、持病でこある膠原病を、喜劇やコメディ映画を見て笑うことで治してしまったのです。
膠原病は自己免疫異常による難病です。カズンズさんがそれを発表したことがきっかけで、笑いが免疫機能に与える効果についての研究が始まりました。

現在では、笑うことで自律神経に変化が起こり、脳への刺激によってがん細胞やウィルスをやっつけるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化するというデータが出ています。

セロトニン活性化の面から見ても、笑うことは非常に有効。おかしいことがあって爆笑しながら「おなかが痛い」と言ったことは、ほとんどの人があるはずです。これは、腹筋が激しく収縮している証拠です。「アハハ、ゲラゲラ、ハアハア」と息をするのも、笑い声とともに息をはき出し、笑いが止まらずに息をすべてはききるために起こること。笑うことで、無意識に深い腹筋呼吸をしているということになるのです。

セロトニンを増やすための笑いかたにはコツがある

「口を大きく開けて声を出して笑うこと」がセロトニンを増やします。
笑い方にはそれぞれありますが、セロトニンを増やすためには、大きな口を開け、声をあげて笑うことが重要なポイントです。
声を出して笑うことで息をはき、腹筋呼吸になります。また、大きな口を開けることで顔の筋肉を動かし、ガムをかむことと同じようなリズム運動もできます。
クスクスという含み笑いや、二ヤリとする笑み、微笑み程度では意味がありません。「腹を抱えて笑う」「腹の皮がよじれるほど笑う」という言葉があるように、昔から腹筋と笑いは密接な関係にありました。セロトニンを増やすためにも、おかしいことがあったら、恥ずかしがらずに爆笑しましょう。

お笑いを見て爆笑してセロトニンと免疫力を同時にアップ

そうはいっても、毎日おもしろいことがあるわけではありません。それなら、喜劇やコメディ映画で病気を治したカズンズさんのように、お笑い番組やDVDをできるだけ観るようにしてください。ギャグマンガでもかまいません。自宅で観るのですから、おなかをよじったり、脚をばたつかせたりしながら、大いに笑ってください。セロトニンの量と、免疫機能が同時にアップするダブル効果になります。

セロトニンを増やすだけだったらつくり笑いでも効果あり!

何をしても、何を見てもおもしろくないというときは、誰にでもあるでしょう。また、どうしても思いきり笑うことができないという人もいるかもしれません。
でも、笑いでセロトニンを増やすためには、何も心の底から笑わなくてもいいのです! つくり笑いだってかまいません。鏡に向かって大きく口を開け、とびっきりの笑顔をつくってみてください。
笑顔ができたら、声を出してみます。最初は、棒読みのような「ハハハ」でもOKです。これだけでもセロトニン強化に必要なリズム運動になりますから、毎日、くり返していると、気分も晴れ、いつの間にか本当に笑えるようになってきます。

太陽光でセロトニンスイッチをONする

光を見ることでセロトニン神経が動き出す!爽快な気分で1日をスタートさせる

セロトニン神経は、就寝中は一緒に休んでいます。そして、起床と同時に動き出し、セロトニンの分泌を開始します。
このとき、セロトニン神経を起こす働きをするのが太陽光です。目にある網膜から入った光信号がセロトニン神経を覚醒させる目覚ましになるのです。

光なら電灯でもいいのではと思いますが、セロトニン神経を覚醒させるのに必要な明るさは2500ルクス。-般的な電灯は100~250 ルクスですから、役に立ちません。

太陽にはその10~100倍の明るさがあります。2500ルクスというと、だいたい晴れた日の朝からお昼にかけての明るさです。
起床したら、カーテンを開けて太陽の光をたっぷりと部屋に入れましょう。「気持ちいいな」と感じたら、セロトニン神経が元気よく活動し始めた証拠です。

日光浴は10~20分でOK日焼け止めもOK

朝日のなかで朝食を食べ、通勤・通学で外を歩けば、セロトニン神経は目覚めます。ただ、そのまま会社に閉じこもりきりで帰宅は夜遅くになるという人や、盲中あまり家から出ないという人は、日光不足になりがちです。

朝、しゃきっと目覚めたセロトニン神経も時間が経つと、ダレてくるのです。休憩時間はなるべく外に出て、日光浴をしてください。

時間があったら日差しの中でウォーキング。できれば太陽の力とリズム運動が同時にできて、ベストです。日光浴の時間は、季節や日差しの強さ、体調によってまちまちです。
太陽光は浴びすぎても、だるくなったり、疲れたりして逆効果です。感覚的に「気持ちいい」と思う程度にします。
春・秋・冬の午前中なら、10〜20分程度が適当ですし、夏のぎらつく太陽の下なら5分で十分なこともあります。

セロトニン神経は網膜から入る光信号に反応します。皮膚の感覚は関係ありませんから、紫外線の善が気になる人は日焼け止めを塗っていてもかまいませんし、もちろんお化粧していても大丈夫。

また、網膜から入るとはいっても、太陽をじかに見つめてはいけません。ふんわりとした日の光を浴びれば十分です。セロトニン神経を活性化させるのは起床後の太陽です。徹夜明けで光を浴びても、そのあと寝てしまったら.セロトニン神経も一緒に眠ってしまうので意味がありまっせん。

「セロトニンさん」という、いつも一緒にいて元気をくれる、仲のいい友だちと暮らしているつもりで、規則正しい生活をするように心がけ、その友だちが喜んで働けるような生活をするつもりで毎日を過ごせば、自然と太陽の光を浴びる暮らしに変わっていくはずです。

5分間セロトニントレーニングも参考になります。

涙を流してストレス解消!号泣してセロトニンを活性化する

涙を流して思いっきり泣けば心のストレスがリセットされる

これまではポジティブシンキングの影響で笑うことはいいとと、泣くのはあまりよくないという風潮がありました。笑うことはもちろんいいことですが、実は、涙を流して泣くこともストレスを解消する効果があることがわかってきました。

ずっと心にためていたストレスがあったものの、泣いてはき出したらすっきりしたという経験はありませんか? 笑いには元気を出す効果がありますが、涙には、気持ちをすっきりさせる効果があります。ストレス解消の面から見ると、笑うよりも泣くことのほうが、より効果があるというデータもあります。

セロトニン神経を鍛える効果も、もちろんあります。赤ちゃんが泣くのは、人生最初のリズム運動。大人が泣くことも同じです。

ただ、笑いの場合はつくり笑いでもストレス解消効果がありますが、泣く場合はポロポロと涙が出ても、嘘泣きではあまり効果がありません。号泣することが必要です。

泣くことは毎日できることではありませんが、その分大泣きできれば効果大です。ふだんは笑いで元気を出しながらセロトニン神経を鍛え、涙がこみ上げてきたら、我慢せずに泣けば、さらにセロトニンは活性化します。泣きたくても泣けないというときは逆に要注意です。セロトニン神経が弱って、うつ気味になっている可能性もあります。
食生活や運動、呼吸法を見直し、セロトニン神経を鍛え、心の調子を整えましょう。

週末に感動する映画などを見てうるっときたら思いっきり泣きましょう

号泣といっても、わんわん泣くことばかりが、それとは限りません。涙をこらえ続けてぽろりとこぼれるのも、号泣の一種です。
止めようと思っても涙が止まらない状態になると、脳がストレスを消す状態に入り、涙とともに洗い流してしまうのです。うるっときたら、そのまま涙を流してください。声を出さなくても、心がすっきりします。

涙にもさまざまな種類がありますが、もっともセロトニン神経に作用するのは、感動の涙です。うれし泣き、くやし泣き、もらい泣きもこの分類です。
定期的に感動する映画を観て、こらえきれずに泣くという行為は、ストレス解消のためにはとてもいいことです。

週末には感動ものの映画のDVDを借りて観ると泣けるでしょう。過去に観たものでも大丈夫です。何度も観た人ほど早く号泣できるというデータもあります。自分の部屋ではどんなに泣いても恥ずかしくありませんから、思いきって声をあげて号泣してください。

涙のすっきり効果にリズム運動が加わり、セロトニンも増えて一石二鳥です。ただし、ホラー映画はNGです。「血の気がひく」という言葉があるように、恐怖感は脳の血流を弱め、セロトニン神経の働きを鈍らせてしまいます。心身が絶好調なときに観るならいいのですが、うつ気味のときなどに観ると、かえって落ち込んでしまうことがあります。
また、恐怖のあまりに涙を流したとしても」脳自体の働きが弱まっているのですから、セロトニンを増やす効果はありません。

たまったストレスを洗い流して、しっかり泣いてから寝る

昼間にいやな思いをして、夜、ベッドのなかで泳いたという経験は誰にでもあると思いますが、これは大正解。泣く時間にもっとも適しているのは、夜です。
そもそも、朝は睡眠をとったあとで、ストレス自体があまりない状態なので、涙で流す効果はあまり期待できません。また、-般的に、朝はゆっくり泣いている時間もありません。

感動映画を観るなら、夜にしたほうがベターです。思いきり気が済むまで泣いて、脳のストレスを洗い流してからベッドに入ればぐっすりと眠ることができ、.翌朝の目覚めはすっきり!

仕事中に泣きたくなったら、我慢するよりも泣いたほうが能率が上がる

上司にしかられたり、理不尽ないじめがあったり、大人になっても泣きたくなるようなことは、多々あります。ですが、大勢の人がいる前で、自分の都合で泣くのはやはり考えもの。周囲に不快感を与えたり、変な目で見られるようになったら逆にストレスがたまります。

そんなときは、トイレや人けのないところに行って号泣しましょう。わんわん声を出して泣くと、なおいいです。心にわだかまった気持ちを我慢して仕事を続けるよりも、泣いて感情をリセットしてから仕事場に戻ったほうが、より効率よく仕事ができます。一端かかえたストレスでも泣けばリセットされるのです。