セロトニンアップのための呼吸法

セロトニン神経の構造が変化してたっぷり放出される

呼吸法を変えることで3ヶ月も経過すれば心と体が変わる

1日1回意識して呼吸することで体内のセロトニンが活性化します。セロトニンを増やすということは栄養をつけてセロトニンを合成することだけではありません。脳内で合成レだセロトニン全身にいきわたせるためのツールである、セロトニン神経を鍛えることが大切です。

セロトニン神経も、体を鍛えることと同様に、運動によって鍛えられます。セロトニン神経を鍛えるために必要なのは、筋肉の収縮と弛緩を定期的にくり返す「リズム運動」。

運動とはいっても、エクササイズだけとは限りません。呼吸は生まれてから休むことなく行い続けるリズム運動です。
ふだんは無意識に行っていますが、より筋肉の収縮を意識して呼吸することで、より効果的なリズム運動になるのです。1日1回、セロトニン神経を鍛えるための呼吸法を実践してみてください。体内のセロトニンが増え、3ヶ月ほどで心と体の調子がよくなってきたことを実感できます。

普段の呼吸とはまるで違う!禅の呼吸がセロトニン神経を活性化させる

セロトニン神経を鍛えるための、リズム運動としての呼吸法は、腹筋を収縮させて息をすることが大切になります。この呼吸法として最適なのが、坐禅。何も考えずに座り、無意識に行う普段の呼吸とは違う、ゆっくりと時間をかけて息をはく呼吸をすることで、自然と腹筋が収縮するのです。

座禅の指導者である道元の言葉に「只管打坐(しかんたざ)」という言葉があります。これは、ただひたすら坐禅を組みなさいという意味です。セロトニン増強の面でも、とりあえず座ってゆっくり呼吸をするだけでも、リズム運動効果はあります。

落ち着いてどっしり座ってゆっくり息をする坐禅がセロトニンを増やす

座禅になれない場合、坐禅を組む目安はお線香1本をつけて消えるまで、およそ20~30分が最適です。坐禅後に爽快な気分になれる目安です。
それ以上続けると逆に疲れてしまうことがあります。はじめのうちは、坐禅によって得られるセロトニン効果は1〜2時間ほどしか続きませんが、.毎日坐禅を組んでいると、3ヶ月月ほどでセロトニン神経が鍛えられ、坐禅後の爽快感がいつも維持できるようになります。

座禅をする前
セロトニン神経は活性化しておらず、姿勢も表情もグレ気味です。 まずは、始めてみることが大切です。
座禅をはじめてすぐの頃
坐禅を始めたばかりのころ。まだ、神経の末端部分が弱く、全身にセロトニンが行き届きませんが、徐々にセロトニン神経が活性化されます。
3ヶ月間座禅をすると
坐禅を続けて3ヶ月後。 セロトニン神経が活性化され、姿勢も表情もシャツキリします。頭に銀の柱が立っているような爽快感です。

2種類の腹式呼吸

セロトニン増強に使うのは腹式呼吸のなかの「腹筋呼吸」
「胸ではなく、おなかで息をする」「腹式呼吸をする」という言葉は、エクササイズ指導やスポーツジムなどでよく使われます。

一般的に、腹部が動く呼吸のこと.を「腹式呼吸」と呼んでいます。ただ、ひとくちに腹式呼吸と言っても、厳密に言うと、そのなかには2種類の呼吸法があります。しかも、その効果は正反対なのです。
ひとつは横隔膜呼吸です。呼吸筋である横隔膜を収縮させて肺に空気を吸い込み、内臓を圧迫することによっておなかがふくらむ呼吸です。

しかししれはバネの原理であって、横隔膜の収縮が収まれば内臓は元に戻りますし、腹筋は使っていません。もうひとつは、腹筋を収縮させて行う腹筋呼吸。

セロトニン神経を鍛えるために必要な呼吸法はこちらです。横隔膜呼吸では、息を吸い込むことによっておなかをふくらませますが、腹筋呼吸は腹筋を使って、体内の息をすっかりはききって内臓をへこませてから、反動で自然と息を吸い込む呼吸法です。

へこんでいた内臓部分が、息を吸うことで元に戻り、おなかがふくらみます。このときの腹筋のリズム運動が、セロトニン神経に効くのです。

息を.はききる腹筋呼吸は苦しくならない程度に行う

腹筋呼吸は、息をはいてはいて、はききるところから始めます。おなかがへこむまではききったら、息を吸い、おなかがふくらめば成功です。これを一生懸命にやっていけば、当然、1回の換気量が増えますから、呼吸の回数自体は少なくなります。

ただし、腹筋呼吸の目的は空気の取り込みではなく、セロトニン増強のためのリズム運動ですから、常に腹筋の収縮を意識して長く息をはき、そして吸うというくり返しが必要です。

初心者の場合は、熱中しすぎて過換気(酸素不足)による場合がありますので、十分に注意してください。
30秒かけて息をはき10秒かけて吸うという禅の達人もいますが、普通は12秒かけて息をはき、8秒で吸うくらいが限度でしょう。苦しくなく、頭がすっきりした状態で行うことがとても大切です。

セロトニン神経を活性化する呼吸は、テンポのいい腹筋呼吸が大事

ぼんやりと過ごしていると、腹筋呼吸をすることはなかなかできません。腹筋は無意識のうちに収縮させることができないからです。
意識的に腹筋を動かし、腹筋呼吸をするには、坐禅を組むことがいちば簡単でしょう。

坐禅は仏教の修行のひとつで、お釈迦さまが世界に広めたもの。意識的に腹筋呼吸をするリズム運動で、無意識の横隔膜呼吸よりもずっと深く、ゆっくりとしたテンポで、呼吸を行います。古い書物や専門書のなかには、呼吸法、腹筋のしぼり方なども細かく指示しているものもあり、坐禅や禅宗が昔から呼吸法を重視してきたことがわかります。

禅の世界では「調身」「調息」「調心」という順序があり、本来は脚の組み方、目の聞き方、心のあり方などさまざまな形や作法があります。

腹筋呼吸を続ければセロトニン効果で背筋も伸びる

ここでは細かい作法は考えないようにしましょう。禅寺では姿勢をぴんと伸ばさなければいけないと言われていますが、それも二の次とします。
リズミカルな腹筋呼吸さえ心がけていれば、セロトニン神経が活性化して、体内にセロトニンが行き渡り、自然と背筋が伸び、姿勢がよくなってきます。もともと道元が示した「只管打坐」の教えは形や作法についてはそれほどうるさくはありません。あまり深く考えず、まずは腹筋呼吸を極めることから始めるといいでしょう。

呼吸の数を数えながらどっしりと座ろう

坐禅特有の座り方を「結跏趺坐(けっかふざ)」と言います。結跏趺坐の姿勢をとると、自然と背筋が伸び、腹筋呼吸がしやすくなります。
ひざや腰が悪い場合は、あぐらや正座でもかまいません。富士山のような、どっしりとした三角形を思い浮かべ、自分がそれになったイメージで座ります。

どっしりと座ったら、腹筋呼吸のスタートです。初心者の場合、うまく集中できないことがあるかもしれません。そんなときは自分の呼吸の数を「ひとつ、ふたつ」と数えながら行うと、落ち着いて呼吸できます。息をはきながら「ひとつ」と言ってから、息を吸います。また息をはきながら「ふたつ」と心のなかで数えていくのです。これは数息観と言い、禅の修行でも行われている方法です。自分の呼吸数を知るのにも役に立ちます。これを最低5分間は行ってください。

丹田呼吸法を習得するとセロトニンがたっぷり出る

座禅の流れをくみつつ、修行の一環から、心と体を整える健康法へと体系化した呼吸法が、丹田呼吸法です。坐禅に比べると短時間でできますし、仕事の合間にもできる方法ですから、ゆっくりと坐禅を組む時間がないという人や、もっと気楽に腹筋呼吸にチャレンジしたいという人におすすめです。

丹田とは、東洋医学で言うところの経絡(ツボ)のひとつで、気力と体力を充実させる場所。丹田を意識して腹筋呼吸を行うことで、気力がみなぎって爽快な気分になり、体調もよくなるのです。

丹田呼吸法をマスターした人の体は、おへそからみぞおちまでの上腹部がへこみ、下腹部がふくらんでいます。皮下脂肪はまったくない様子で、体全体がやわらかく、お肌はみずみずしくてすべすべ。まるで赤ちゃんのような体になっています。この状態を「上虚下実」と呼び、丹田呼吸法実践者が何年も呼吸法を積み重ねた、究極の姿と言われています。

下腹部を意識して息をはききりインナーマッスルも鍛える

丹田呼吸法のポイントは、腹筋を収縮させて息をはくとき、肛門に力を入れて締めることです。肛門を締めることによって、腰椎と大腿部をつなぐインナーマッスル、腸腰節も収縮します。さらに、腸腰筋と結合している、背中側の横隔膜も収縮させることができます。このため、丹田呼吸法の熟練者は、腹筋も横隔膜も自在に操れるといいます。

丹田呼吸法は社団法人調和道協会による、調和道丹田呼吸健康法というメソッドを参考にした呼吸方法です。この方法の特徴は、屈折線という、みぞおちの下にある、体を折り曲げる線(腰のくびれ)溝意識することです。息をはくときは、屈折線に手を当て、上体を軽く折り曲げながら息をはききります。へその下7cmの場所にある、丹田に意識を集中させながら、呼吸を行うことがもっとも重要なポイントです。

丹田呼吸法の基本
  1. ひざを床につけて自然に座り、腰を立てます。上半身は首をまっすぐに伸ばし、リラックスさせてください。右手の薬指と小指をおへその2cmほど上にある屈折線(くびれ)に当て、手のひらは上腹部に密着させます。左の手のひらは、おへその7cm下の丹田に当てます。体勢が整ったら、息を3秒、吸い込んでください。
  2. 胸をゆるめるようにして、右手の小指が当たっている屈折線を折りくぼめるようにし、上体を少し前傾させながら5秒くらい息をはきます。少し背中が丸くなってもかまいません。
  3. 息をはききったら、上体を起こし、1の体勢に戻ります。6回、くり返したら左右の手を変えて6回。左右6回ずつでワンセットです。

丹田呼吸法は、イスに座ったままでもできます。仕事の合間などの、気分転換として行うのもおすすめです。動作は基本形のやり方を参考に、屈折線と丹田を意識して行ってください。

呼吸回数にだけ注意し、脳と体が自然に行う腹筋リズム運動を心がける

長息法は、基本の丹田呼吸法をより簡単にしたものです。手の位置や回数を気にしなくていいので、気が向いたときにいつでもできます。

文字通り、長く息をすることがポイントです。腹筋呼吸をしているなかで気をつけたいのは過呼吸。深い呼吸を行う分だけ、体内を出入りする換気量が通常の数倍になりますから、呼吸の回数が増えると、脳の炭酸ガス濃度が減り、けいれんや失神を起こすことがあるのです。

これを防止するため、長息法では1分間に数回程度の非常にゆっくりしたペースで呼吸を行います。人の体内には酸素不足や炭酸ガスのレベルをモニターする呼吸化学受容器があり、自動的に呼吸の深さや速さを調節してくれますから、頭がすっきりした状態であることを自覚しながら、自分ではしっかりと息をはききることだけ注意し、腹筋リズム運動を行います。

簡単な長息法も
  1. 上体をリラックスさせて、自然に座ります。腰は立てておきましょう。両手は自然な形で脚の上に置きます。
  2. 息をゆっくりはきながら、上体を前に傾けていきます。
  3. さらに息をはきながら上体を前に傾けます。最終的に床と平行になるまで倒してもかまいません。肺のなかにある不要な炭酸ガスをすべて捨てるつもりで、息をはききります。最初は12秒くらいから、最終的には30秒かけて息をはくことが目標です。はききったらゆっくりと息を吸って上体を戻します。

気持ちが落ち着かずに勉強や仕事に集中できない人に最適な三呼-吸法

三呼一吸法は、ふーっと長い時間をかけて1回ではききる息を、ふっふっふーとリズミカルに3回に分けて吐く呼吸法です。
体の持つリズム感覚によく合い誰でも簡単に腹筋リズム運動ができ、丹田呼吸法もマスターできます。

ウォーキングやジョギング中にも応用できる方法ですが、ここでは座ったままできる、「素振り法」、を絡介しましょう。

腹筋呼吸に、手の動きが加わっています。もともと腹筋を使った丹田呼吸法は単純な呼吸動作のくり返しです。そのため、気持ちが散漫になりやすく、飽きてしまうこともあります。そんな人には、呼吸に変化がつけられる三呼一吸方式が最適です。
すでに丹田呼吸法をマスターしている人が気分を変えるためにやるのもOKです。この素振り法は両手を組んで上から気合を入れて振り下ろすため、気力も十分にみなぎります。

  1. 上体をリラックスして両手を組み、木刀を握っているつもりで、頭上に振りかぶります。木刀やバットなど持つものがあれば実際に持ってください(周囲に気をつけて)。振りかぶりながら、大きく息を吸い込みます。
  2. 3回、腕を振り下ろしながらふっふっふーと素振りに合わせて息をはきます。途中で息継ぎはせず、素早く息をはいて、はききります。「えい、えい、えいー」と声を出して行ってもOK 。回数は自由ですが、汗ばむくらいまで続けます

体と呼吸と心を整えるために

気功で気を体内に巡らせる

気とは、自然のなかに流れている、目に見えないエネルギーのことです。その気を体内に取り込み、巡らせることで、心の調和をはかり、健康増進を助ける心身健康法が気功法です。

古代中国に伝わる健康法である導引術や舞踊に、禅の呼吸法を加えて形成されたと言われ、腹筋呼吸にゆるやかな身体運動を組み合わせているのが特徴です。
気功は古代中国で生まれた伝統的な健康法。現在は300種類以上の流派があります。気功には姿勢にとらわれない柔軟性があり、形にとらわれずセロトニン神経を鍛えることができます。
太極拳なども同じカテゴリーです。気功の利点や効果は多々ありますが、いずれにせよ、セロトニン神経を活性化させる腹筋リズム運動の一種であることは間違いありません。

呼吸法にゆるやかな運動を加えているので、立って行うことが多く、姿勢にとらわれない柔軟性があることが、坐禅や丹田呼吸法と違うところです。

また、動作を伴うので、自然に呼吸がリズミカルになることも利点のひとつです。数分以上、同じ体勢で座ることが苦手だったり、じつとしていると気が散りやすく、呼吸に集中できないという人におすすめできる呼吸法です。気功法にはさまざまな流派がありますが、ここではそれにとらわれず、セロトニン神経を鋸える腹筋リズム運動に向いた動作を紹介します。

なお、現時点では気の存在自体、科学では証明できていません。このため、どれだけの気が自分に流れているかを測定することはできませんが、気功法を長く続けている人のほとんどが、気の流れを感じ取ることができるといいます。

ダンスのような動作で楽しい呼吸法は美容効果も

この龍の気功は小周天気功法というメソツ.ドのひとつで、美容気功と呼ばれるものです。動作も美しく、続けていくとセロトニン神経が鍛えられて姿勢がまっすぐになるほか、体内を気が巡ることで美しい肌やスタイルを保つことにも効果があります。

合掌した両手で、顔、胸、腹部にかけて円を描いていきます。龍が泳いでいる様子をイメージしながら、上体と両手を反対の方向にうねらせます。

手が体の真ん中に来たときは、背筋もひざもまっすぐになります。両ひざは閉じたまま動かすので、力を抜いてリラックス。しなやかに動かすようにしてください。もちろん、呼吸は腹筋を意識し嶺す。慣れてくると流れるような動作で、リズミカルなダン.スのよケにあなります。回数に制限はありませんので、疲れない程度に楽しみながら行うといいでしょう。

  1. 両手を胸のあたりで合掌し、両足をそろえたまま、顔.胸・腹部の順に円を描きます。
  2. 息を吸いながら両手を右上に回していき、背骨と腰を左側に曲げます。これで体がうねります。
  3. 手が頭上に来たら息を止め、背骨やひざを真ん中に戻し、体をまっすぐにします。
  4. 息をはきながら、手を左に回し下げ、背骨を右に曲げます。そのまま流れるように下の円も描いていきます。8の字を描きながら体をくねらせる感じです

腹筋呼吸とイメージを合わせて

気のエネルギーは目に見えないので、心と頭でイメージすることが大切です。この気功法は天にある気と、大地の気を交互に体内で循環させることを頭でイメージしながら行ってください。

天と地、両方の気が体を巡ることで、元気がみなぎってくるのです。このふたつの気功法は、多少の形の差はありますが、多くの涜派に取り入れられています。それだけ効果があるということですね。ここでもセロトニン神経を鍛えるため、腹筋呼吸を意識して行います。

天の気を入れるときは天からの気が体内にたまっている悪い気を押し出すイメージで息をはききってください。地の気を入れるときは、空になった体に大地のきれいな気が足の裏から入り、体中を巡るイメージで息を吸います。何度もくり返すことで、気功法に大切なイメージとセロトニンを活性化させる腹筋呼吸が同時にできるようになります。

天の気を取り入れる(1~3)、地の気を取り入れる4~6)
  1. 手を頭上に上げていきます。両手は自然な円にします。このとき、息を吸います。
  2. 腹筋を使って息をはきながら、ゆっくりと両手を下げていきます。
  3. 両手を下腹のあたりまで下げ、息をはききります。次に4の動作に移ります
  4. 足の裏から地面に流れる気が入ってくるイメージをしながら手のひらを上に向けてあげ、息を吸います。
  5. 大地の気が頭まで巡るように両手を上にあげていきます。
  6. 両手が頭上まで来たら息を吸い終わり、息をはききったら上の1 に戻り、連続して6 回行います。

全身リラックス効果でやさしい気持ちに満たされる

よいエネルギーの気が体を横断して、通り過ぎるイメージで行う気功法です。全身がリラックスし、やさしい気持ちがあふれてくるので、イライラしているときに最適です。

手が体の前面を通り過ぎて行くときに息をはいていき、顔の正面に戻すときに吸います。片手は丹田に置き、腹筋呼吸を意識しましょう。全身の細胞にやさしさが満ちてくるイメージで呼吸します。

やさしさも気と同様に目には見えないものですが、自分なりのイメージをしてみましょう。淡いピンクなど、やさしさを感じる色や花をイメージして、その色が体内に満ちる感覚で行う人も多いようです。リラックスする気功ですから、目を閉じていてもOK。
応用として両手を立てて移動レ、脚も動かし、左右に軽く重心を振れば太極拳的な動作になります。呼吸法がしっかりしていれば問題はあけません。

  1. リラックスして立ち、左手のひじを立てて体の横に置きます。右手はへそ下7cmの丹田に当てます。
  2. 気が体内を通担するイメージで、息をはきながら腕を右方向に動かします。
  3. 気を右側へ流しきるイメージで腕を押しやり、息をはききります。やさしい気持ちが満ちることをイメージしてください。そのまま手を変えて4に移行します。
  4. 左側から流すのと同じ動作を、右手で行います。
  5. 体の中心に手が来たときに息を吸います。
  6. 気を左へ流すように息をはききります。再び手を変えてくり返します。左右6 回ずつ行います。

セロトニンを増やすための「発声」

息を吐くときに一緒に声を出すとセロトニンが活性化する「張りのある声」は気分をさわやかにしてくれる

腹筋のリズム運動をする動作は、ふだんの生活のなかでも意外と多いものです。声を出すこともそのひとつ。会話する、歌を歌う、笑うなどの行為には必ず、発声が伴います。

ここではセロトニンを活性化させ、元気になる発声法を紹介します。マスターすれば、セロトニンが増えるばかりでなく、よく通る張りのある声を出せるようになります。これは歌の発表など、特別な機会がなくとも、ふだんの会話のなかでも使えることです。

声は、肺から出た空気が喉頭にある声帯を震わせることで出ます。このとき、肺から出る空気をそのまま声に変えてしまうと、小さく弱々しい声になってしまいます。張りのある元気な声を出すには、腹筋の力を使って横隔膜を押し上げることが必要です。こうすることで、よりたくさんの空気を肺から出して、声にして出すことができるのです。腹筋を使って呼吸することが、元気な声のもとになるわけです。

誰だって、元気な声で話す人に好感を持ちますし、話しているだけで元気づけられますよね。張りのある声を出すことで、セロトニンが増えて自分の気分が爽快になり、周囲の人のことも元気づけ好かれる人になれるのです。

人に好かれる声で話すには

発声は息をはくことと密接な関係があります。いい声で話すには、まず腹筋呼吸の方法から練習からスタート。坐禅や呼吸法を実行すれば、自然に腹筋呼吸ができるようになりますから、まだやっていない人はぜひ始めてください。

大きな声、元気な声を出そうとするあまり、のどをしぼり上げるように声を出す人がいますが、これは逆効果。思うように声が出ないばかりか、のどを痛めてかすれた声になってしまうこともあります。また、そういうときは肩に力が入っていますから、周囲に無駄な威圧感を与えてしまうこともあるので要注意です。

周囲から好かれるような声を出すには、声帯を開放しておなかから声を出すイメージが大切です。ボリュームを調整すれば日常会話から、大きな声まで自由に出せますし、会議などで長時間しゃべっていても声がかすれることはありません。

お腹から声を出す
吸う
両手を下腹部にあてがい、腹筋の動きを確かめながら鼻から息を吸います。息を吸ったときにおなかがふくらみ、胸が動かなければ成功です。胸に手を当てて、辛が動いていなければうまくいっている証拠。このとき、肺に空気が入っていきます。
声を出す
十分に息を吸ったら、腹筋を使って肺から空気をはき出します。その空気にのせて声を出しましょう。「あ・い・う・え・お」「おはよう」など、言葉はなんでもかまいません。腹筋が動いていれば成功です。横隔膜を引き上げるつもりで、勢いよく空気をはきます。慣れてくると意識しなくても、ふだんの会話のなかで、この発声ができるようになります。

声を出して読めば心も「スッキリ」

音読してセロトニンを増やす

脳を活性化させる音読でセロトニンも増やす

声を出して文章を読むことを音読と言います。発声練習で上手に声を出せるようになったら、音読にもチャレンジしてみてください。

セロトニン神経をより鍛え、体内のせロトニンを一層、増やすことができます。ところで、音読する.ことが脳を活性化させ、認知症予防などに効果があると大ブームになりました。音読が脳を活性化させるのは脳のなかの前頭前野という部分に刺激を与え、思考力を破えることが大きな理由ですが、セロトニン神経を鍛える観点から見ると、メカニズムは少し遣います。

まず、腹筋呼吸をして声を出すことで、セロトニン神経が鍛えられます。普通の発声と変わりませんが、文章には強弱を表す韻や、感情表現がありますはね。句読点を意識したり、感情を込めて文章を読むことで声にリズムが加わります。

単なる発声練習よりも、より高度なテクニックが必要になるのです。腹筋呼吸による発声+リズムというセロトニンを活性化させるのに不可欠なものがそろっているのですから、効果があるのも当たり前です。

音読する本のジャンルには制限はありませんが、特に、韻を踏んでいて、声に出したときにリズムがある文章を読むとセロトニンが活性化するというデータがあります。

女章のリズムのことはよくわからないという人は、俳句や短歌を読むのがおすすめです。俳句や短歌は声に出して詠まれることを前提にしてつくられていますし、「五・七・五」というリズムがそなわっています。

歌を歌えば腹筋呼吸ができる

カラオケがストレス解消の方法という人は多いものです。歌を何曲も熱唱するとすっきりとします。 それは、歌を歌うことがセロトニンを増やす腹筋リズム運動そのものだからです。ただし、鼻歌では効果がありません。腹筋呼吸をもとにして、大きな声を出して歌うことが大切なのです。

オペラ、クラシックなど専門的な声楽の発声方法は、腹筋呼吸そのものだと言われます。一般的な歌唱法を指導するボイス.・トレーニングでも、に基づく歌唱法を教えています。

声楽家はマイクなしでもホールのすみずみまで美しい声を届けますが、呼吸法を自在に操ることができれば、私たちでもプロのような声を出せるようになるのです。
声ははく息が声帯を震わせてで挙るというものだということはすでに述べましたや腹筋を使って息をはくときには大きな圧力がかかり、声帯にぶつかると、のどは壊れてしまいます。

やたらに大きな声を出すとのどが痛くなったり、声が枯れてしまったりするのはこのためです。この圧力を調節する場所が、横隔膜。腹筋を収縮させると横隔膜が押し上げられ、それによって息をはきます。そのまま声にするとのどを痛めてしまうため、専門家は横隔膜を押し下げるような力を加えて、腹筋の圧力を制限するのです。

つまり、収縮させた腹筋から生まれる、上に向かう圧力を横隔膜の収縮によって下へ向かう圧力を変えます。腹筋と横隔膜の両方を使って互いの力を打ち消すのです。こうするとのどが完全に開き、息の流れが止まります。この状態から発声することが基本です。

ぴっくりするはど長く続く歌声が出せるようになる

腹筋呼吸を意識して歌うだけで、セロトニンはどんどん増え、また、張りのあるよい声も出ますから、カラオケはどんどん利用したいもの。

社歌や校歌など、みんなで合唱する機会があったら、大きな声で歌ってください。思いきり歌ったあとはかなり疲れますが、これは腹筋を使った呼吸ができている証拠です。オペラ歌手などは立ったまま歌うだけで汗びっしょりになることがあります。これは腹筋と横隔膜をコントロールするために、全身の筋肉を使うからです。声楽家ちょうようは腹筋を使うときに肛門を締め、太もものつけ根から斜め上に伸びる腸腰筋を両側とも上に引っ張りあげるようにします。続いて、腹筋で生まれた力を引っ張るように意識します。で声帯を斜め後ろにピンと張るように力を入れ、せるというのです。

とても難しいことですが、肛門を締めて、力が上に向かうように意識しながら腹筋呼吸をすると、驚くほど長く歌声が出せるようになります。伸びのある曲を歌うときにトライしてみてください。

セロトニンを増やすための日常動作のコツ

日々の暮らしの中でもセロトニンアップのコツがある

セロトニンアップの食べ物と日常動作を組み合わせれば効果倍増

セロトニン神経を鍛えるのはリズム運動

通勤、通学
太陽光はセロトニン神経を活性化させてくれます。通勤・通学で朝の光のなかを歩くことは、毎日できる山間単なセロトニントレーニングになります。

ウォーキングのような早足は必要ありませんが、かといってダラダラ歩いていては、セロトニンを増やす効果はありません。
朝日を浴びて胸を張り、元気よく歩く必要があります。さらにこのときに腹筋呼吸も意識するとより効果的ですセロトニン神経が活性化され、会社や学校に着いたあと、気持ちよく1日のスタートをきれます。

仕事、勉強
緊張が高まることを「息が詰まる」と言います。プレッシャーを感じるようなことがあったら、いったん、休憩をとって腹筋呼吸を5分間行います。
休憩のたびに行うとようにして習慣化するといいでしょう。会社に勤めている場合は、休憩すらとる時間がないこともあります。その場合は、許されればガムを嚙みます。ガムをかむリズム運動がセロトニン神経を刺激します。くちゃくちゃ
入浴
入浴中は疲れもとれ、筋肉もほぐれて1日のなかでも最高にリラックスした状態。腹筋呼吸をするには最適です。ぬるめのお湯に胸から下が浸かる半身浴の状態で、20分ほどゆっくりと呼吸法を行ってください。

半身浴 | 便秘は冷えが原因
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水圧の力で、腹筋もかなりラクに収縮させることができます。息を吸うときは、少し息苦しいかもしれません。早めにさっと吸ってください。湯気がたちこめている状態なので、少し伸び上がるようにすると、息を吸うのがラクになります。

趣味
新しいことにチャレンジしたい、何かおけいこごとを始めたいと漠然と思っているなら、セロトニンを増やす効果がある日本の伝続的な道が特におすすめです。茶道なども。

武道はセロトニン神経を鍛え、いつでも落ち着いた行動がとれるようになる

戦国ゲームやマンガの影響で、武道に興味を持つ女性も増えています。なかにはたて自分もサムライの世界を体感してみたいと、剣道や殺陣を習う人もいるとか。もともと武道は、古来より、坐禅の修行とセットで極めるものでした。

いまでも「○○道」と名がつく日本の伝統的な武道は、型のテクニックと同時に、呼吸法を指導しています。声を出して気合を入れるものがほとんどで、このときも「腹から声を出せ」と、腹筋呼吸の指導を受けます。武道を習い、体を鍛えながら、自然とセロトニン神経も鍛えられるというわけです。

「茶道」花嫁修業をしながらセロトニンを増やす

花嫁修業としても人気が高い茶道ですが、千利休が始めた戦国のころの時代背景を考えると、そのルーツは武士のたしなみであったことがわかります。

一期一会という言葉にも、戦に立つ武士とは二度と会えないかもしれないという思いが込められています。いまではさまぎまな流派がありますが、どの流派も姿勢をしやんと伸ばし、長時間座ることから始めます。茶会の間、静かな空間で背筋を伸ばしているためには、深い腹筋呼吸が欠かせません。浅い呼吸だと、すぐに疲れて姿勢が崩れてしまいます。

このときに重要なポイントになるのがセロトニンです。姿勢を保つために腹筋呼吸をすればセロトニン神経が活性化しますし、セロトニンが増えれば、背筋が伸びた正しい姿勢をラクに保てるようになります。そのくり返しで体内のセロトニン濃度が上がり、いつも落ち着いた気持ちでいられるようになります。

「能」腹筋呼吸と発声でセロトニンを増やす!伝統的な総合芸術

能は、室町期に世阿弥が集大成した、歌、舞踊、楽曲、演劇が合わさった総合舞台芸術。日本の伝統芸能のなかでも、もっとも格の高いもののひとつです。

気軽に習えるものではありませんが、最近はカルチャースクールなどで、伝統芸能のプロモーションの一環として、教室が開かれることもあります。

るやかで象徴的な舞が特徴ですが、この動きは体の筋肉が引き締まっていなければ美しく見えません。特に、インナーマッスルを鍛えることで、しなやかな動きをつくり出しています。

歌声は典型的な腹筋発声法です。どっしりとした風情を出すため、下腹部に重心を置いて、腹筋呼吸をしながら舞い歌うのです。セロトニン強化に対しても総合的な動きを持っているわけです。狂言も能から派生した伝続芸能です。こちらは、家元によっては一般向け教室を開いているところもあります。