自分を頼りなく感じる人は、生きていこうとすれば1人でも生きていけるのに、1人では生きていけないと感じてしまいます。
そして1人では生きていけないと思うと、1人では生きていけなくなってしまいます。いったん別れてみれば、自分にとってデメリットだけという人にどうしてあそこまでお世辞を言い、貢ぎ、恐れていたかが不思議になるでしょう。
でも迎合している時にはそれが分からないのです。自分にとってデメリットだけということは、裏を返せば相手にとってはメリットだけということです。
しかも相手のほうが威張っているのです。メリットを与えている側が、メリットを得ている側に卑屈に迎合しています。
人から搾取されている時には、どうしても事実が見えないものです。いったん離れてみれば、「オレはなんてバカなことをしていたのだろう」と不思議に思うはずです。
しかしこうした構造は離れてみないと理解できないものです。離れてみると、その人と離れていることが「得していることばかり」であることに驚くでしょう。
しかし、つきあっている時には、その人と接すると自分が「損していることばかり」であることに気がつかないのです。
離れてみると、その人から離れてても何の不都合もないことに気がつきます。その人と離れていても何も困ることはないのです。その人たちは努力せずに幸せになることばかりを考えている人たちだからです。
それなのに、不思議なことに、つきあっている時には、何だかその人と離れると何か「困ること」が起きるような気がして不安になってしまうのです。そして嫌々ながらも何だか分からないが、つきあっていなければいけないような気持ちに陥っているのです。