人は、甘えたい時、甘えられないと傷つきます。甘えの言葉が拒否されたり、甘えの態度が拒絶されると傷つきます。年齢に関係なく、甘えの欲求を持った人は傷つきやすいものです。
甘えの欲求は、子供が親に村して持つものばかりではありません。子供だけでなく、親もまた子供に甘えたい欲求があります。
たとえば、甘えの欲求を持った親は傷つきやすくすぐに落ち込みます。子供の言動に酷く怒りやすくなります。ちょつとした一言で機嫌が変わり、子供に怒り出します。
子供に感謝をされたいからしたことを、子供から「ノー、サンキュー」と言われれば、母親は不愉快です。甘えの欲求を相手との関係で満たそうとしている人が相手に何かをするのは、相手のためではありません。相手から感謝されたいのです。
無力感を持った人の場合も同じです。感謝されたいのです。甘えの欲求が満たされていない親が子供のために何かをする。それを子供が感謝しない時には、親は面白くないのです。時には、子供に激怒する。甘えようとしている人にとって、相手から甘えられるほど腹の立つことはないのです。
甘えの欲求を満たされていない親が子供のために何かするのは、自分の甘えの欲求を満たすためです。
たとえば、「わー、おいしい料理」と言ってもらいたくて料理を作った。しかし、子供はそれほど喜ばなかった。そこで親は、グチグチグチグチといつまでも子供を責めさいなむことになります。感謝されると思ってしたことが期待はずれに終わってしまった。それは拒否ではないのだが、感謝されたいと思ってした人からすれば、拒否されたと同じです。そこで傷ついてしまいます。