周囲の人の中にはあなたを励まそうとして、「あなたはこんなに色々の仕事をしてきた、あなたはこんなに頑張ってきた、だからあなたは自分に誇りを持てるでしょう」と言う人がいるかもしれません。
たしかに一般的な基準から見ればあなたは長いこと頑張って仕事をしてきたのでしょう。会社でも家庭でも色々な責任を立派に果たしてきたのです。あなたが自分に誇りを持つのは当たり前です。
しかし、あなたは自分に誇りを持っていません。周囲の人から見れば、あなたが自分に誇りを持っていないのは不思議です。問題はあなたがしてきた仕事の質と量ではない、あなたが果たしてきた責任の重さではない、背負ってきた負担の重さではないのです。
あなたが果たしてきた、あるいは果たしつつある責任は重くのしかかっています。あなたは一般の人よりも社会に貢献してきました。でも、生きることに疲れたあなたはその自分にいま誇りを持てないでいます。
周囲から、「こんなにしてきて、すごいじゃないか、誇りに思わないの? 」と言われても誇りに思えないでしょう。それはあなたが誇りに感じる心の能力をすでに失っているからです。
普通の人があなたと同じだけの仕事をしたら自分を誇りに思うでしょう。しかし同じことをしても、あるいはそれ以上のことをしてもあなたは自分に誇りを感じないでしょう。
それが生きることに疲れたということです。あまりにも長い間ストレスに耐えて頑張っているうちに、喜びも楽しみも誇りも何も感じられなくなってしまったのです。
だから生きることに疲れたあなたは、自分についての事実を変えようとするよりも、あなたの心を変えようとすることです。生きることに疲れた時と、生きるエネルギーを回復した時では、世界は遣って見えるでしょう。周囲の人も違って見える。自分自身も違って感じられるでしょう。