うつ病になるような人は、愛着と怒りが同時に発生し、怒りや憎しみの感情を処理できないまま、感情的に八方塞がりになっています。
自分がどういう感情を持っていいか分からなくなっているのです。幼児的願望が満たされていないから、周囲の人に愛着があり、離れることには不安があるのです。
かといって憎しみはあります。そういった、につちもさっちもいかない心理状態が、次のような言葉になって表れるのです。
「目のまえに壁が立ちはだかっているような気がする」「心にすきま風が入ってくるような気がする」「ぼっかり心に空洞ができた感じ」「二日酔い」の不快感である。
要するにこれは自分がなくなってしまったということです。自分の中の統合性が失われ、自分でも自分が分からなくなり、自分を感じられなくなっています。
自分の人生の目的がなくてまわりから振り回されてしまったから、自分がなくなってしまったのです。
幼児的願望が満たされないで、傷つき続けて、訳の分からない憎しみを持ってしまったのです。憎しみのうえに、さらに自分の人生を生きてこなかったという悔しさ、虚しさ、孤独感があります。
人のためだけに生きてきたというやりきれなさもあります。自分の人生の目的を持っていないと、周囲の人がその人を振り回そうとしなくても振り回されてしまいます。ましてその人を利用しょうというようなずるい人が現れた時には、いいように振り回されてしまうのです。