「励まし」は逆効果になる

外を散歩したのでは憎しみの感情が表現できません。憂うつになっている人が一番せっぱ詰まっているのは、心の底の憎しみの表現です。

それが憂うつな顔をしてじっと座っていることなのです。普通の人が憂うつな人を元気にしてあげようとする言動が、逆に憂うつになっている人をさらに追い込んでいくのが一般的です。励ます人の意図とは逆に、その人をもっと憂うつにしてしまうのです。

それは、じつと座って細々としている感情表現を止めさせるアドバイスだからです。だから「元気を出せよ」というアドバイスが逆効果しかあらわさないのです。

憂うつな人は具体的に気が晴れる方法を聞いているのではないのです。憂うつな人は気が晴れるために具体的に何をすればいいかを聞いているのではありません。自分のやりきれない気持ちを聞いてほしいのです。

そのやりきれない気持ちをくみとってほしいのです。よく不登校の人を励ましてはいけないというアドバイスがなされますがそのとおりなのですが、なぜ励ましてはいけないかという理由が説明されていません。

大切なのはその人の無念の気持ち、悔しさ、憎しみの感情をくみとってあげるということなのです。

彼らは「私を愛して」と叫んでいるのです。それなのに愛してくれないから憎んでいるのです。

たとえば不登校であれば、学校に行かないことによってその子が何を表現しているのかということを考えることが必要です。それを考えないで、単に「何も学校に行く必要はない」とか、不登校の生徒を集めて学校のような真似をするとかいう人が出てくるのはおかしな話です。

 

 

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