憎しみが限界を超えると「うつ」になる

親から利用されて育ってしまうと、人から利用されることを当たり前と受けとってしまいます。「親から利用される」ということを、不思議に思う人がいるかもしれません。

しかしうつ病になるような人は、家族の中で誰よりも早く起き、誰よりも遅くまで働き、そして誰よりも感謝されない子供です。

家の仕事は、いまはもう昔のようになくなったかもしれません。昔は普通の家でも、薪を割ることから雑巾がけまで、家の仕事はきりがないほどありました。トイレは、当然、水洗ではありません。

その掃除は誰もしたくない。しかし誰かがしなくてはならない仕事です。

さらに社会人となって稼ぎだせば、すべて親が召し上げてしまいます。自分のために使うことは許されません。

昔の農家の嫁を考えてみれば理解できるでしょう。嫁は労働力と考えられていました。要するに、冷たく支配的な親の元では、家族は家の使用人のようなものです。

そして、誰かが家の使用人として選ばれるのです。いじめる人間は誰でもいじめるわけではありません。必ずいじめる人間を選びます。

同じように、冷たく支配的な親は、利用する子供を選びます。家族の中で誰かが選ばれるのです。そうして選ばれた人間は、大人になってから、家族以外の人とのつきあいでも同じようにするのが当たり前と感じてしまうのです。

周囲のずるい人間からいいように利用されても「憤慨する」ということがありません。上司からおだてられて、いいように利用されている部下はいまでもたくさんいます。

劣等感のある部下は利用されて喜んでいます。利用されることしか生きる方法が分からなくなっているのです。

しかしその間、本人が気がつかないうちにものすごい量の憎しみが心の底にうっ積します。その憎しみを吐き出す方法が分からないままに限界を超えた時に、人は憂うつになります。生きることに疲れ、どうしていいかわからなくなってしまうのです。

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