自分の不幸を嘆く人のまわりに人は集まらない

うつ病になるような人や神経症的傾向の強い人に、周囲の人は長い間にはたいてい嫌気がさしてしまいます。それは彼らが周囲の人に比べて経済的に恵まれているのに、何を言っても不運を嘆き、生きることの苦しさを言っているからです。

つまり彼らは何事においてもマイナスの発想です。お金に困っているわけでもなければ、怪我をしているわけでもない。失恋をしているわけでもないのです。うつ病になるような人や神経症的傾向の強い人は、それなのにいつも「私は不幸だ」と自分の人生を嘆いています。

毎日「辛い」と口にしています。そして何も言わなくても「辛い」という雰囲気を出しています。時には自分は一番不幸だと訴えます。

しかし、病気になって入院をしているわけではない。いや、それどころか普通の人より肉体的には健康です。そこで相談にのっている周囲の人は、嘆いている人に嫌気がさしてきます。そうして人々はうつ病になるような人や神経症的傾向の強い人から去っていきます。

「辛い、辛い」と嘆いている人から、人は離れていきます。それは大人でも幼児でも同じです。

「辛いよー」という幼児からは、次の遊びの時に、他の子は「嫌だ!」と逃げていきます。不幸は感染します。

隣の人も不愉快になってしまいます。不幸な人のいる部屋の空気は暗くなります。まわりも気が落ちこみます。だから不幸な人のまわりには人が集まりません。そしてそれまでいた人が去っていくのです。不幸な人は不幸を呼びます。

たとえば、大学の教授が暗い顔してすごい話をしても、学生は覚えていません。学生の頭に入らないのです。

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